詩人の木下杢太郎(もくたろう)が音頭をとって、「パンの会」の第1回会合が催されたのは1908(明治41)年。セーヌに見立てた隅田川を見下ろす、河岸の西洋料理店「第一やまと」でのことだった。当時主流の自然主義に対抗し、「美のための美」すなわち耽美(たんび)派を標榜(ひょうぼう)し、北原白…
詩人の木下杢太郎(もくたろう)が音頭をとって、「パンの会」の第1回会合が催されたのは1908(明治41)年。セーヌに見立てた隅田川を見下ろす、河岸の西洋料理店「第一やまと」でのことだった。当時主流の自然主義に対抗し、「美のための美」すなわち耽美(たんび)派を標榜(ひょうぼう)し、北原白…