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おおっ、ロケットカウル復活!! ホーク11大阪で世界初披露 味のある峠スポーツ爆誕

 3月19日に開幕した大阪モーターサイクルショーで、ホンダが新作ロードスポーツの「ホーク11(イレブン)」を世界初披露。現地取材で青×銀のほか、黒×銀の車体色があることも判明した! 詳細は未発表ながら、一体どんなバイクなのか解説しよう。

文/沼尾宏明、写真/HONDA、市本行平

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ホンダらしからぬ? 攻めたフューチャーレトロカフェ参上

 当WEBでも繰り返し報じてきた「ホーク11」がいよいよベールを脱いだ。今回公開されたのは「市販予定車」ながら、ほとんど製品版に近いようだ。

 まず注目したいのはデザイン。「ホーク」と言えば、1977年のホーク-II CB400Tに端を発する400&250ccネイキッドを思い浮かべる人も多いだろうが、令和のホークは外観が全く異なる。

 曲線美が際立つロケットカウルと、ハンドル下に伸びたミラー、複雑な面構成を持つ各部が新鮮なスタイルを構築。レトロなカフェレーサー然としたフォルムながら近未来的な雰囲気もあり、実に斬新だ。優等生的なデザインが多いホンダとしては、実に攻めた1台と言える。往年のホークとの共通点はエンジン型式の並列2気筒ぐらいだろう。

報道陣に事前に発表されたのは青×銀のみだったが、大阪MCショーで精悍なブラック×シルバーも披露。フロントフェンダーが銀となる。市販版はこの2色設定になるようだ
ブルーの車体色はロケットカウルを縁取るシルバーがクール。フロンントフェンダーは青だ
「ネオスポーツカフェ」を標榜する直列4気筒ネイキッド、CB1000Rと雰囲気は近いが、とにかく新しいスタイルのホーク11

 それにしてもロケットカウルを持つホンダのカフェレーサーは珍しい。現行モデルにはもちろんなく、採用例は1985年発売のGB400TT MkIIにまで遡る。

 ロケットカウルは「一体成型のFRP製」と発表されており、これまた珍しい。純正カウルには、量産しやすく耐久性の高いABS樹脂を用いるのが一般的。FRPは軽いのがメリットだが、ガラス繊維などを貼り込んで成型するため大量生産には向かず、コストもかかる。ただしデザインの自由度が高いのはFRP。ホンダの意図は不明だが、軽さとデザイン性の両立を狙ったのかもしれない。

CB1000Rと共通イメージのリング状LEDデイライトが印象的な顔。スクリーンは低く、車体も全体的にスリムだ
ロービームで上側のみ、ハイで全灯が光る。ウインカー、ナンバー灯を含め、灯火類は全てLEDだ
最大の特徴であるロケットカウルはFRP製。ホンダ車の採用例は往年のVFR750R(RC30)などレーシーなモデルに限られる
ミラーはカウルステーにマウントされ、レバーの下から出ている。ハンドルバーエンドのミラーは他車でもあったが、車体から生え、この位置にあるのはレアだ!
エッジが立ち、ボリュームのあるタンクカバーは樹脂製。ホークIIの丸みを帯びたヤカンタンクとは全く似ていない

基本設計はNT1100譲りだが、DCTはなく、マニュアルのみか

 リリースの数少ない情報によると「経験豊かな日本のベテランライダーのバイクライクを、より充実したものにしていただくための提案として開発。(中略)スペックのみにとらわれないモーターサイクルとしての味わい深さを表現。エンジンの鼓動と排気音を存分に感じながらワインディングなどでの操る楽しみを提供する、新たな大型ロードスポーツモデルです」とある。

 エンジンと車体は外観から判断するに、3月に発売されたスポーツツアラーのNT1100と同様だ。NT1100、およびクルーザーのレブル1100も、ベースはアドベンチャーモデルのCRF1100Lアフリカツイン。ホーク11はアフリカツイン派生モデルの第4弾にあたる。

 アフリカツイン由来の水冷1082cc並列2気筒は元々パルス感が強く、NT1100ではオンロード向けに吸排気系を変更し、持ち味をよりアップした。ホークのサイレンサーは形状がNTと一緒だが、内部構造の変更などで鼓動感に一段と磨きをかけるか。

 なお発表された車両はマニュアルのみ。独自情報によるとセミオートマのDCT仕様はホークには設定されないようだ。

ベースとなったNT1100(左)とCRF1100Lアフリカツイン。基本設計を共有しながら全く異なるジャンルのマシンを造り出すのはホンダのお家芸だ
ホーク11は、コンパクトなユニカムSOHC4バルブと電子制御スロットルを与えたアフリツイン由来の水冷1082cc並列2気筒を搭載
六角形状のマフラーはNT1100と外観が共通だが、より角度がアップに。最大バンク角も深くなっているハズだ

車体はサスとブレーキを差別化し、スポーティさをアップ

 メインフレームはベース車と同様のスチール製セミダブルクレードル。これにNT1100譲りと見られる鋳造アルミスイングアームを組み合わせる。フレームは適度なしなりが特徴で、リリースのとおりワインディングなどの公道で従順な扱いやすいハンドリングとなりそうだ。

 足まわりは、NT1100と同様のφ43mmショーワ製SFF-BPやプロリンク式モノショックを採用する模様。NTの前後サストラベルは150mmとロングだったが、ホークは外観からよりショートに設定されそうだ。

 キャリパーをはじめ、ホイール&タイヤもNTと共通のようだ。一方、ブレーキマスターシリンダーが豪華に。NTやアフリカツインが横押しなのに対し、セミラジアルを採用。スポーティなイメージを強調し、ワインディングでの運動性能に貢献してくれるハズだ。

 なおリヤスプロケットはNTが40Tなのに対し、ホークはアフツイやレブル1100と同じ42T。加速性能を重視した設定だ。

ニッシン製対向4ポットフロントキャリパーやキャストホイールはNT1100と共通だろう。フロントのタイヤサイズは120/70ZR17
ブレーキマスターのシリンダーは、よりダイレクトな操作感のセミラジアルタイプを採用。カップタイプのリザーバータンクもホークならではの装備だ
NT向けに新設計された鋳造アルミ製スイングアームを踏襲している模様。リヤタイヤは180/55ZR17で、ツーリングとスポーツに適したダンロップGPR-300を履く
シート下にはETC2.0車載器を搭載。NT1100と同様に標準装備となるか。ナンバープレートホルダーには荷掛けフックも用意される

SSほど前傾しないが、セパハンで攻められるライポジ

 ライディングポジションは相当スポーティだ。セパレートハンドルを採用するため、上体はかなり前傾する。とはいえ、ヘッドパイプが高いアフリカツイン譲りの車体なので、スーパースポーツのような“鬼前傾”ではない。またハンドル切れ角が十分あり、当然ミラーにも干渉しないため、Uターンはしやすそうだ。

身長170cm体重65kgのライディングポジション。ハンドルはトップブリッジ下にあり、スポーツ系ネイキッドより拳一個程度低い。垂れ角はあまりなくフラット。ステップもNTより後ろ気味だ
タンク後端とシート下はスリムながら、かかとが4~5cm浮く。ミラーは慣れれば問題なさそう。またがった印象ではNTより軽く、サスは標準設定でソフトだった

シンプル装備で価格は150万円台、発売は初夏と予想

 メーターは、レブル1100と共通らしき1眼モノクロ液晶を採用。フルカラーTFTタッチパネル+アップルカープレイなどで豪華なNT、アフツイと違い、シンプルだ。

メーターはレブル1100と同じユニットのようだ。ライディングモードはスポーツ、スタンダード、レインのほか、任意設定できるユーザーの4種類で、こちらもレブルと共通

 メーターに加え、電脳も簡略化されている。トラクションコントロールとエンジンブレーキ制御を設定できるが、NTにあるクルーズコントロールやDCTが非装備。ライディングモードは5→4モードとなった。

 これにより価格はNT1100の168万3000円より抑えた150万円台程度と予想される。正式発表は4月頃で、初夏に発売される見込みだ。

 NT1100は、東京MCショー(3月25~27日)、待望の初開催となる名古屋MCショー(4月8~10日)にも展示。斬新なスタイリングをぜひその目でチェックしてほしい。

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