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沖縄県の2大地元紙の一角、琉球新報といえば昨年来、警察担当記者の酒気帯び運転「中国への侵略戦争阻止」を訴える市民団体の依頼で報道本部長が講演など、お騒がせ続きで知られるが、こんどはロシアとウクライナの戦争を取り上げた外部コラムニストによる寄稿が「ロシアのプロパガンダを垂れ流している」との非難を招いて炎上している。

那覇市の琉球新報本社(編集部撮影)

騒ぎの発端は17日付朝刊で掲載したカナダ在住の乗松聡子氏の連載コラム。『戦争の教訓生かせ ロシア「悪魔視」に疑問』と題し「西側におけるロシア悪魔視一辺倒の報道」を問題視している。記事の冒頭で「260万人以上の(ウクライナの)民間人がロシア連邦への退避を申請している」「ロシア非常事態省が330トン超の人道支援物資をドンバスやキエフに届けたという報道があった」などと言及。これらのソースがロシアの国営通信社「スプートニク」だったため、物議を醸している。

乗松氏としては多様な視点を読者の提供する狙いがあったようだが、米ブルームバーグによると、「スプートニク」は先月27日、EUが「プーチン氏の戦争を正当化し、EUを分断するための虚偽を拡散させる」(フォンデアライエン欧州委員長)メディアとして禁止措置を受けたばかりだった。

ウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」日本語版の編集者を務める平野高志氏は「目も当てられない記事」と絶句。

ただ“敵方”ばかりでなく、フェイクニュース問題に詳しい藤代裕之・法政大学社会学部准教授も「この記事は、さすがにマズイのでは…見出しもひどい」とズバリ指摘していた。

ハドソン研究所の村野将研究員は「事実と異なるロシアのプロパガンダをそのまま垂れ流しているという点で、『琉球新報って、もはや殆どスプートニクと同じだよな』と思っていたところ、直球の引用記事が登場」と皮肉を述べた上で、「ここまでくると読者に求められているのは、リテラシーというより視力です」と痛烈だった。

一方、琉球新報はその前日、公式ツイッターで乗松氏のコラム記事を紹介。「筆者は『これらが常に正しく、ロシア側の情報が常にうそであるなどと考える根拠を持たない』と論じ、西側諸国のロシア悪魔視一辺倒の報道に疑問を呈します」と力を入れてフォロワーにアピールしていたが、

これが結果的に翌日にかけても炎上の“温床”になってしまった。ネット民たちは

ウクライナを訪ねて見て書いて

「ロシア悪魔視一辺倒」というレッテル貼り。侵略側に一理ありとの見解を示すとは、琉球新報もだいぶこじれてますね。

マジで言ってます?これは特殊軍事作戦ではなく、侵攻と言います。国際法を完全に無視した行いです。

放置どころか、スプートニクを積極的に引用する琉球新報www

などと続々と書き込まれてしまった。

乗松氏が運営するブログ「アジア・太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス」によれば、乗松氏は東京出身。高校時代を含め、通算25年カナダ在住で、大学卒業後は官民の団体で国際教育交流事業運営を行っている。2005年にはバンクーバー九条の会を発足し、共同代表となるなど、平和運動に従事。複数ある共著の一つが沖縄の基地問題を取り上げている。