8度の世界ラリーチャンピオンであるセバスチャン・オジエは、セブリングでのWEC世界耐久選手権の決勝レースを前に、「はるかに激しい」トラフィックのなかでの走り方を学んでいる、と語った。
オジエは今季、女性ドライバーのリロウ・ワドゥ、LMP2王者のシャルル・ミレッシとともに、LMP2クラスのリシャール・ミル・レーシングチーム1号車オレカ07をドライブし、WECのLMP2クラスに参戦する。
38歳のオジエは、WRCで所属するトヨタGAZOO Racingのル・マン・ハイパーカーで複数回のテストを行った後、ポール・リカールでもLMP2車両のテストを行い、WECのシーズン前テスト“プロローグ”に臨んだ。
開幕戦の地であるセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたこのプロローグで初めて、オジエは他のカテゴリーの多くの車両とともに走行する機会を得た。
「(昨年11月の)ルーキーテストではそれほど多くのクルマは走っていなかったので、トラックはかなり空いていた」とオジエはSportscar365に対して語っている。
「そのときはトラフィックというものの感覚が分からなかったが、ここ(セブリング)でははるかに激しい。なんとなく楽しくはあるけど、それは間違いなくペースを決定づける要素だ」
「1周を速く走ることとは別に、トラフィックをマネジメントすることもまた重要だ。それをいま、僕は学んでいる途中だ」
「チームとともに、プロローグ中のいくつかの動きを分析し、トラフィックの最適なマネジメント方法を理解しようとしている。それは、とても楽しいことでもある」
オジエはWECデビューを前に「かなりリラックスしている」と述べたが、雨とアクシデントによりフリープラクティスで15周しか走れなかったのは「大惨事」だったと語った。
「いまのところ、レースについてはあまり自分にプレッシャーをかけていない」とオジエ。
「クリーンなレースを行い、なにかを構築できることを願っている。路面状況が変わってからセットアップに少し苦労しているので、レースでは少し良いものが見つかることを願っている」
「僕らが可能な限りドライビングを楽しめるように、もう少し自信を持てるクルマを、チームが与えてくれるといいね」
ミレッシ、ワドゥ、オジエは、プロローグの前にフランスのポール・リカールでもテストを行った。
ランオフエリアの非常に広いポール・リカールでのドライビングを楽しんでいなかったと明らかにしたオジエは、セブリングをとても好んでおり、このトラックでのドライビングは、ラリーにおけるエッジを攻めるスタイルにより似ていると感じているという。
「ドライブすることが本当にクールなトラックだと思う」とセブリングについて語るオジエ。
「それほどハイスピードではないが、クルマのなかでやるべきことはたくさんある」
「楽しいトラックだし、ウォールはスレスレで……環境は異なるけど、ポール・リカールでのテストと比べると、僕が知っている(ラリーの)世界に少し近づいているね」
「ポール・リカールはとても広く、僕が慣れてない環境だった。何かが足りないような気がしていた」
「僕らは2日間、そこにいた。コンディションは変化しやすかったが、それは最初の発見だった」
「正直なところ、(ポール・リカールでは)少し難しいと感じていたが、ここセブリングに来て、すでに良いベースを身につけ、マシンとのつながりもできていると感じられた」
「だが、プロローグからレースウイークへとコンディションは変化しているし、フリープラクティスは僕らにとって難しいものとなった。走行時間はほとんど取れなかったので、レースのなかでどうなっていくのか、見出すことになるだろう」