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 ワゴンRなど”ありそうでなかった”クルマを多く生み出してきたスズキ。今大人気のワゴンRスマイルやハスラーも同じで、つねにウマいとこを突いてくる。今回は、絶妙なサイズと価格が魅の力のスズキ ソリオの功績をご紹介! 実はソリオってスゴいんです。

文:ベストカーWEB編集部/写真:スズキ


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■2代目モデルまでは中途半端感が否めなかった? ワゴンRヒットにあやかって登場した元祖ソリオ

初代ワゴンRをベースに5人乗りに仕立てたのがソリオの元祖「ワゴンRワイド」だ。

 ソリオの歴史が始まったのは1997年のこと。1993年に衝撃のデビューを果たした初代ワゴンRをベースに1Lエンジンを搭載し、5人乗りモデルとしてデビューしたのがワゴンRワイドだ。これこそがソリオの始まりである。

 1990年代後半のスズキといえば、現在と同様に登録車に力を入れ始いため時期で、Keiベースの初代スイフトなど軽自動車を元にした派生車を増産していた真最中であった。いわばソリオはその一環であったのだ。

 翌年にワゴンRワイドの後継車に当たるワゴンRプラスがデビュー。2000年のマイチェンでワゴンRソリオに再度名称変更するなど、振り回された感も否めないクルマであった。ついでにいえば、決して人気車種とはいえないクルマであったのだ。

■2代目でソリオは大躍進! ウマいとこをついたパッケージングが大ウケ

2代目ソリオはパッケージングを見直し、後席にスライドドアを装備。プチバンの歴史はここから始まったのだ

 だが、2010年に登場した2代目から快進撃が始まるのだ。2代目ソリオはベース車をワゴンRから変更し、プラットフォームを一新。エンジンやトランスミッションを当時から走りに定評のあった2代目スイフトから流用。簡単にいえば、背の高いスイフトといったイメージで、見た目とは裏腹にクラストップレベルの走行性能の持ち主であった。

■見た目よりも使いやすさを重視! ソリオの魅力は全幅にアリ

ソリオは初代モデルから5ナンバーサイズをキープしているが、全幅がかなり個性的なサイズ。これは狭い道などでの取り回し性能の向上するためなのだ

 加えてボディサイズも絶妙であった。多くの5ナンバー車は規格いっぱいの1695mmとしているのがほとんどだが、2代目ソリオは1620mmに抑えていた。これは狭い道でのすれ違いや都市部においての取り回し性能を向上するために、あえてこのサイズとしていたのだった。

 ちなみに3代目モデルは1620mm、現行モデルは1645mmと絶妙なサイズを今なおキープしているのである。

■ミニバンいらず!? 後席の広さと装備内容が十分すぎる

ソリオは後席中央のシートには収納式のアームレストを装備。現行モデルには後席右側にACソケットまで備わっている!

 そして2代目以降のソリオは車内スペースの広さも魅力の一つである。全長4m弱のボディにもかかわらず、後席のレッグルームは身長175cmの筆者が足を組んでもまだスペースが有り余るほど。もちろんシートアレンジも後席用アームレストだって標準装備!

 加えて現行ソリオに至っては、夏場に嬉しい「後席用サーキュレーター」を装備するなど快適性もミニバン並なのだった。それでいて158万1800円~というバーゲンプライスなのだ。

 そう、ソリオは痒い所に手が届く的な見事なパッケージングの持ち主で地道な販売戦略でプチバンというニッチな市場を盛り上げた功労者ともいえる。

■打倒ソリオ! トヨタ連合がそっくりカーで市場は大盛り上がり

トヨタ連合が生み出したルーミー兄弟はソリオと同じく、ノーマルモデルとド派手なカスタムとラインアップもソリオと似ているのだった

 だが、そんなソリオにも悲劇が訪れる。2016年にトヨタ・ダイハツ・スバル連合からガチライバルとなるルーミー兄弟がデビューしたのだ。最大の違いといえばソリオはマイルドハイブリッドを搭載しているのに対し、ルーミーはNAエンジンとターボモデルをラインアップしているといった程度である。

 ボディサイズや機能、価格に至るまでソリオと瓜二つであった。要するにソリオはトヨタを本気にさせるほどの魅力満点のモデルであったのだ。

 現在、ソリオとルーミー単体で販売台数を比べるとダブルスコア以上の差をつけられてしまっている。スズキとトヨタであれば全国で展開するディーラーの数が大きく違うという事実もあるにせよ、この市場を作り出したソリオにはもう少し頑張ってもらいたいところ。再びのソリオ復活劇に期待したい。

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