2022年1月に登場した新型レクサス LX。
4人乗りのEXECUTIVEやオフロード性能を極めたOFFROADなど3つのグレードを用意し、世界トップレベルの走破性と上質感を手に入れることを至上命題とし、世界の超高級SUVたちに宣戦布告!!
フェラーリもランボルギーニも知る男、清水草一氏が試乗した!
●レクサス LX600 価格表
・EXECUTIVE(4人乗り)…1800万円
・OFFROAD(5人乗り、7人乗り)…1290万円
・標準(5人乗り、7人乗り)…1250万円
※ちなみにランドクルーザーZXガソリンの価格は730万円
※本稿は2022年1月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部、撮影/池ノ内昌信
初出:『ベストカー』2022年2月26日号
■「砂漠のロールスロイス」レクサスLXに試乗!!
レクサスLXは、現代の『砂漠のロールスロイス』。でも、日本には砂漠はない。砂漠がないと、LXにもライバルが出現する。それはメルセデスGクラスやランボルギーニ・ウルスなどである。
LXは彼らに勝てるのか? 舗装路でも世界一のSUVと言えるのか? そいつを確かめるべく、富士スピードウェイ内で試乗してみた!!
ベースになったランクル300との比較では、乗り心地はさらに上質になっている。ランクルだと、若干路面から突き上げがくることもあるが、LXはよりマイルドだ。まぁ路面にジョイントもなんもないところで乗ったので、「たぶん」ではありますが、たぶん間違いないであります! とにかく走りは一段上質です。
エンジンは3.5L V6ツインターボの415馬力で、ランクルと変わりなし。車体は100ミリほど長くなり、その分重くなっているが、差は感じられなかった。
ハンドリングテストコースを走ると、さすがにコーナーではロールが大きいが、電動パワステの採用によりステアリング操作はとってもラク。サスも腰砕けにはならない。
味つけとしては、ランクルよりロールを抑え、高速性を高めつつ快適性もアップしているとのこと。砂漠を突っ切る、ハイウェイをブッ飛ばすのも、LXの重要任務ですからネ!
先代のLXは生産台数の半分強(約52%)が中東向け。この走りでこの内装なら、アラブの王者の座はますます安泰だろう。
■もうひとつの「砂漠の王者」Gクラスと比較
じゃ、砂漠のない日本で、メルセデスGクラスと比べるとどうなのか。
スペックを見ると、車両重量もパワーも、そして最上級の「エクゼクティブ」に関しては価格も、G550に非常に近い。ガチのライバルだ!
でも、私はG550に試乗していない。乗ったのはG63AMGだけ。そちらと比べますと、パワー感では明らかに負けております。なにせあっちは585馬力ですから。
ただ、舗装路での操縦性はLXの圧勝だ。
G63AMGは足がソフトすぎ、アクセル全開をブチくれるとフラフラしてコワイ。LXの足は決してパワーに負けないヨ! 結果的にLXのほうが飛ばせるかもしれない。走りの総合力では、LXの勝ちと見た。
では、ランボルギーニ・ウルスと比べるとどうか。
まず加速。ウルスは車体がLXより400kg軽いうえに、650馬力というスーパーSUVだ。さすがにLXに勝ち目はない。
正直ウルスの加速は狂気のレベルで、アヴェンタドールとも大差ない。乗り心地も、舗装路に特化しているので非常によろしい。さすがに一般道ではウルスとは戦えませんな。
LXの強みは、「オフロードなら世界一」という点にある。日本で本領を発揮する機会は滅多にないが、その勲章を胸に、「Gクラスやウルスがナンボのもんじゃ!」という誇りを持って乗ればヨシでありまするね。
■世界一快適で静かな装備の数々
EXECUTIVEには専用の読書灯や専用のエアコン吹き出し口を採用。特に後席は心地よく包み込むようなシャワー空調機能があり、センターコンソールの足元横にもエアコンの吹き出し口を追加し、冬季には温風エアカーテンを送風することができる。
LXはLEXUS最厚5.76mmのフロントガラスやウインドシールドガラス、リアガラスはアコースティックガラス(2枚のガラスの間に遮音性の高いフィルムを入れたもの)を採用する。
またアクティブノイズコントロールによってスピーカーからこもり音制御音波を出力、吸排気系のこもり音を低減し、静粛性を高めるなど、ほかのSUVでは考えられない数々の装備を手に入れている。
【画像ギャラリー】世界の超高級SUVたちと渡り合う!! 新型レクサス LXをギャラリーでチェック!(23枚)画像ギャラリー投稿 Gクラスやウルスを撃破だ!! 乗って実感レクサス LX無双!! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。