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 2022年3月31日をもって都営バスの3路線が廃止される。廃止路線は「波01出入」「S-1」「東20」の3路線だ。他にも路線再編が行われるので主要なものをお伝えする。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)


レインボーブリッジを走る「波01出入」

 波01出入は品川駅港南口から海岸通りを経由して東京テレポート駅前までの路線で、都営バスとしては唯一のレインボーブリッジ通過路線だ。

品川駅港南口に入線する波01出入

 品川営業所の担当で、休日に乗車した限りでは多くの乗客があったが並行して民営のバス路線があることや、実質は海01系統の品川営業所担当分送り込みになっている。もっともほとんどは回送で出入庫するのだが、特色のある系統だったので残念だ。

 「S-1」は「東京・夢の下町」バスとして観光客目的で登場した路線だ。南千住営業所担当で、S-1 東京駅丸の内北口・上野松坂屋前から浅草雷門を経由して錦糸町駅前に至る。東京駅発着は土休日のみで、平日は上野松坂屋前発着となり、主要観光地のみに停車するので下町観光に便利なような路線設定になっていた。

かつてのS-1系統専用車両

 搭乗時は専用車両を投入して見た目もインパクト抜群なバスが走っていたが、退役すると同時に通常の路線バス仕様車に変わった。また沿線の住民には「急行バス」としての利用が多く速達性のある便利なバスとして利用されていたが、肝心の観光客には知名度が低くあまり利用されていなかったようだ。

 それにコロナの影響で観光客が減ってしまいいよいよ存在意義が問われるようになってしまったのかもしれない。沿線の方には残念な廃止路線だろう。

 「東20」は東京駅丸の内北口から東京都現代美術館を経由して錦糸町駅前に至る路線で、担当は江戸川営業所臨海支所。まったく同じ区間を経由地の異なる東22系統が走っており、本数はこちらの方が多く東20はかなり少ない。

東京駅丸の内北口で折り返しを待つ東20系統

 経由地の東京都現代美術館にアクセス向上に資する目的もあり、東京駅方面行きは美術館の構内まで入る念の入れようだが、そもそも本数が少なく目的地が東20でも東22でもどちらでもいい場合、東22に当たる可能性が高くなかなか厳しい路線だったようだ。

休止される深夜バス

 深夜バスについてはコロナの影響でリモートワークが多くなったことと、深夜まで会食する機会が減ったことによることも大きいのだろう。休止される路線は次の通り。

 「深夜01」渋谷駅前-六本木駅前-新橋駅北口、「深夜10」西葛西駅前-臨海町二丁目団地前-西葛西駅前、「深夜14」東京駅八重洲口-月島駅前-深川車庫前の以上3路線が4月4日から休止される。

系統の変更

 4月1日から通学用のいわゆる「学バス」のうち学01系統と学07系統が一般路線に変更される。これにより駅から大学への通学用として急行運転のようになっていたのが、経路上の全停留所に停車する。また学バスの運賃は低額に設定されていたが、一般路線バスになることにより運賃も一般路線バスと同額(210円)になる。

 具体的には「学01」が「上01」になり東大構内-上野公園山下(循環)東大構内に、「学07」が「茶07」になり東大構内-御茶ノ水駅前(循環)東大構内になる。これもコロナの影響により大学へ通学する学生が減った影響もあると思われる。

都03の新系統新設

 都市新バスの「都03」は四谷駅-東京国際フォーラム前-有楽町駅前-日比谷-東京駅丸の内北口を新設し、既存の四谷駅-晴海埠頭とともに2系統で運行される。

新生活様式と利用実態に合わせた改正

 都営バスに限らず公共交通機関はどこも厳しい運営を迫られているが、今回の再編はコロナによる生活様式の変化とそれに伴う利用実態に合わせたものと言えそうだ。

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