バス停散策、今回は西鉄バス北九州の「荒生田公園下」停留所に行ってみた。どちらかというと「バスのいる風景」撮影だが、当地でそろう北九州のお土産物もあるので、撮影のついでに名産物までゲットしてみてはいかがだろうか。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
荒生田って何て読む?どこにある?
荒生田は「あろうだ」と読み、北九州市八幡東区にある。旧西鉄北九州線の路面電車が走っていた電車通りにあり、黒崎や小倉からの特快が停車するほか、となりの七条バス停には福岡-北九州線の高速バス「いとうづ号」が停車する。七条は歩いてもすぐの距離だ。
よって当停留所の前は路線車、連節車、高速車が通過するので撮影には困らない。小倉方面行バス停の横に流れる川は「板櫃川(いたびつ)」と称し、歩道・車道を含めて比較的多く架橋されていて、河川敷が遊歩道化されているので川を含めての撮影もおススメだ。
もう一つのバス停
バス停の前にある歩道専用の橋を渡ると住所は「荒生田」から「高見」になるが、ここにある商業施設が「スピナラソリエ高見店」だ。大きなスーパーマーケットを中心とした複合施設と考えればよい。
西鉄系のスーパーなので荒生田公園下バス停から橋で直結にもかかわらず、スーパーの横に「スピナラソリエ高見店前」停留所がある。経由地は幹線道路上にある荒生田公園下バス停とは異なるし本数も少ないが、小倉駅バスセンター行きのバスも発着する。
え、新型ローザ?
「スピナラソリエ高見店前」発着の55番(七条フィーダー線)は、「八幡東ニュータウン第一」行きのバスが毎時1-2本出ている。
この路線は八幡東区の比較的高台のニュータウンから当地へのお買い物や、七条で小倉・黒崎あるいは福岡方面への乗り継ぎ需要のための路線で、既存の路線が廃止・短縮されて西鉄バス北九州所属バスとしては唯一の新型ローザ2台により運行されている。(北九西鉄タクシーに移管されたマイクロバス路線は他に存在する)
ローザはマイクロバスなので定員が少なく立席ができる構造でもないので座席定員制だ。側面方向表示器も乗降ステップもしっかりと付いているし、ICカードも使える。車内でICカードや1日乗車券を発売できないくらいで、ほぼ西鉄の路線バスと同じ機能を有している。
いわゆる「スマートループ」塗色でデザインは路線バスと同じものだ。この路線は青葉営業所の担当なので営業所表示も車番もきちんと入っているのだが、3月12日から青葉営業所の廃止にともない運行が北九西鉄タクシーに移管される。
北九州の名産品を買ってしまおう!
バスの撮影に疲れたら、ここスピナで北九州の名産品を購入してしまうのもいいだろう。記者の好物で恐縮ではあるが「くろがね羊羹」を推しておく。
北九州市内のスピナやお土産品店ではたいてい売っているので、砂津でも到津でも北九州空港でも購入は可能だ。ちなみに福岡市内でも手に入るが、西鉄天神高速バスターミナルでは売っていなかった。
本品はおよそ100年前にカロリーを気にする方に向けに作られたものだ。とはいえ低カロリーを所望する現代人とは異なり、高カロリーに振った羊羹なので、今のし好とは方向が異なる。「くろがね」とは鉄のことで、まさに製鉄所と関係が深い羊羹だ。
ずっしり重い高カロリー食品
かつての製鉄所で働く工員は高温・多湿環境での作業だったので、エネルギーの消耗が激しかった。これを助ける目的で八幡製鉄所が開発した工員のカロリー補給用食品だったのが始まりだ。生まれは大正時代だが、やがて一般向けにも販売され現在では北九州の銘菓になっている。
かなり詰まった羊羹なのでずっしりと重く、上白糖をぜい沢に使用しているためグラニュー糖よりも甘みが強く感じられる。そして賞味期限は1年なので非常食としても有効だ。
かなり理論に無理があるのは承知の上だが、乗りバスや撮りバスはそれなりに体力を消耗するので、くろがね羊羹で栄養補給をすると元気いっぱいでまたバスに乗ろうというものだ。
この羊羹とお土産用にセットになった堅パンもあるので同時にお試しいただきたい。堅パンの詳細は割愛するが、初心者は注意して食べないと冗談ではなく歯が砕けてしまうこともあるので、北九州市民の指導?の下で食べることをお勧めする。
バスのいる風景
北九州市は製鉄所がある都合上水源が豊富で、整備されたダムや貯水池、河川が多いので工夫すればいい撮影地になるはずだ。好きなボディーに乗車して、お気に入りの場所で、お目当てのバスを撮影してみてはいかがだろうか。
そしてかつての製鐵マンがそうしたように、胸ポケットにくろがね羊羹を忍ばせてかじりながら、いい写真を撮影していただきたい。
投稿 バスのいる風景を撮影に行ったら西鉄ローザがやってきた! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。