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 2018年に登場した現行型スズキジムニーは、本格オフローダーという性能を求めるユーザーだけでなく、女性ユーザーにも人気だ。その理由の一つは、ジムニー伝統の丸型ヘッドライトが「カワイイ」こと。そして、チョイ古な直線的な角張ったデザインが「カッコイイ」から。輸入車のミニやフィアット500を見ても丸目のヘッドライトのクルマは人気が高い。

 歩行者の安全対策などにより、年々クルマのデザインには制約が広がっている。したがってリトラクタブルライトのように、最新モデルでは採用できないデザインも多い。

 そこで、ここでは現在でも老若男女問わずマッチするときを超えた秀逸なデザインを採用したオシャレなネオクラシックカーの日産ラシーンとフィガロをピックアップ。すでに販売終了から20年以上経過している両モデルの最新の中古車事情を紹介する。

 日産フィガロが、バナナマン日村勇紀さんの相棒として「バナナマンのせっかくグルメ!!(TBS系列日曜午後8時)」に登場し、話題になっている。同番組は、3月13日(日)午後7時から2時間スペシャルの放送を予定している。

文/萩原文博氏、写真/NISSAN

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予算&コンディションで選ぶのが吉? 日産ラシーン中古の良い購入条件とは

ラシーンは7代目サニーの4WD用シャシーをベースに作られたコンパクトなクロスオーバーSUV。1994年にデビュー。

 Be-1やパオといったパイクカーの流れをくんだモデルの日産ラシーンは1994年〜2000年に販売されたコンパクトSUV。1990年に登場したサニーをベースに、最低地上高170mmと若干ロードクリアランスを高めたのが特長だ。

 名前の由来は羅針盤で、デビューから1997年のマイナーチェンジまでは、ドラえもんをキャラクターに採用し、キャッチコピーは「新・ぼくたちのどこでもドア。RUN ! RUN! ラシーン」だった。

 ボディサイズは全長4210×全高1695×全高1515mm(1.5タイプIII)で、最新モデルのノートオーテッククロスオーバーと同様に5ナンバーサイズで立体駐車場に対応した優れたパッケージングが魅力。

 ラシーンはデビュー当初、搭載しているエンジンは、最高出力105psを発生する1.5L直列4気筒エンジンのみ。組み合わされるトランスミッションは5速MTと4速AT。駆動方式は全車ビスカスカップリングを採用したフルタイム4WDを採用していた。

 フルタイム4WDを採用しているものの、当時「生活4WD」と呼ばれて、本格的な悪路走破性能はなく、街乗りや滑りやすい路面での安定性向上を追求したシステムだ。そして当時はクロカン4WDブームで三菱パジェロなどが人気だったため、一部グレードには背面タイヤを装着したグレードも設定されていた。

 1997年1月にマイナーチェンジを行い、最高出力125psを発生する1.8Lエンジン搭載車を追加。さらに1998年には最高出力145psを発生する2Lエンジンを搭載し、ブリスターフェンダーを装着し3ナンバーボディのフォルザを追加している。トランスミッションは両エンジンとも4速ATのみで、駆動方式は4WDだが、2L車は高い走行性能を実現させるアテーサ4WDを採用していたのが特徴だ。

 生産終了からすでに20年以上が経過したラシーンの中古車相場は、現在約150台流通していて、平均相場は約87.8万円。3カ月前の2021年11月当時の平気価格は86.5万円、流通台数は約150台なので、流通台数は横這いだが、平均価格は値上がり傾向となっている。

 約10年前は約300台の中古車が流通していたラシーンだが、3年前には約150台となっており、実質的に3年前から市場に流通している中古車の台数は変わっていないということになる。

 ラシーンの中古車の価格帯は約23万〜約350万円。新車時価格を超える中古車が多く流通している。高価格帯の中古車はリメイクと呼ばれるレストア&カスタムを施されたクルマ。すでにベース車は20年以上前の旧車なので、こういったレストア済の中古車を狙うのもありだ。

 1994年〜1996年までの前期型が約44台。後期型が約106台と圧倒的に後期型が多い。グレード構成は1.5タイプIIが約37台と最も多く、次いで後期型のみに設定された1.5タイプA。そして1.8ftタイプIIが続いている。

 トランスミッションはAT車が圧倒的に多いが、わずかながらMT車も流通している。すでに年式が進んでいるので、グレードよりも予算とコンディション重視で選ぶ方が良いだろう。

国内流通22台!? 日産フィガロを狙うならいまがチャンスか

1991年から1992年まで販売されたフィガロ。ボディサイズは全長3740×全幅1630×全高1365mmというコンパクトな2+2クーペ

 続いて、1991年2月に販売開始された日産フィガロだ。フィガロは、パイクカーシリーズの第3弾となるモデル。パイクカーとはレトロ調や先鋭的など一般のクルマとは違う尖ったデザインを採用したクルマのことで、日産は1987年にBe-1、1989年にパオ、そして1991年にフィガロが販売された。

 初代マーチをベースとしたフィガロは当初8000台の限定生産の予定だったが、希望者が殺到し限定2万台まで増やし、抽選で購入者を選ぶというちょっと変わった販売方式が採られた。

 フィガロのキャッチコピーは「東京ヌーベルバーグ」、直訳すれば、東京から始まる新しい波。人気刑事ドラマの主人公の愛車として、またお笑い芸人バナナマンの日村勇紀さんがグルメツアーの相棒として愛用しているフィガロ。一体どのような魅力があるのだろうか。

 フィガロは2ドアのオープンカーで、ピラー部分を残して、布製のルーフ部分だけが開閉する。搭載されるエンジンは最高出力76ps、最大トルク106Nmを発生する1L直列4気筒ターボで、3速ATが組み合わされている。

 発売後フィガロをはじめとしたパイクカーは中古車の専門店が存在するほど人気を誇った。中でもフィガロはイギリスで爆発的なヒットとなり、多くの中古車が海を渡ってイギリスに嫁いで行ったのは有名な話だ。その台数は数千台とも言われており、日本国内よりイギリスのほうが多いかもしれない。

 登場から30年が経過したフィガロの中古車は、現在約22台流通していて、平均価格は約186.5万円となっている。3カ月前の2021年11月の時点では平均価格は約165万円、流通台数は約18台だったので、流通台数は増加、それに伴い平均価格も上昇している。約2年前の時点では、中古車は約47台流通していたので、半分まで減ってしまった。当時の平均価格は約103万円だったので、1.8倍まで値上がりしている。

 フィガロの中古車の価格帯は約99万〜約341万円。2年前にみられた50万円以下のクルマはなくなり、最安値の中古車でも100万円を超えそうな勢いとなっている。中古車相場が上昇した理由は、流通している中古車のほとんどが全塗装済やレストア済というクルマばかりだから。

 年式が進んだことで、これまではレストア前の中古車もあったが、現在はほとんどがレストア済の中古車となったことで中古車相場が上昇しているのだ。しかし、ウカウカしていると100万円台を超えて、200万円でも手に入らないなんてことになりかねない。

 ラシーン、フィガロともにすでに20年以上が経過したネオクラシックなクルマ。これから手に入れて長く付き合っていくには、面倒を見てくれる主治医となる整備工場を見つけることが大切だろう。

 年式の新しいクルマに比べると、トラブルも多くなる。そういったときにしっかりとメンテンスしてくれる主治医がいれば、安心して維持することができる。こういった情報はオーナーたちのSNSなどでも調べることができるので、先輩ユーザーの知恵を拝借したい。こういったことが旧車ライフをより楽しく充実させてくれるのだ。

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