人気声優陣で結成された「VART(ヴォイス・アクターズ・レーシング・チーム」は、順調に練習を重ねている。彼らは実車を使った走行だけでなく、シミュレーターも積極的に使ってきた。先日はドライビングシミュレーションの最高峰「アセットコルサ」にメンバーがチャレンジする「VART GALLERIA GAME CHALLENGE」が開催された。
そのイベントを支えたのが、ゲーミングPC GALLERIA(ガレリア)を展開する株式会社サードウェーブだ。同社の森畑 崇氏は、VARTの活動に共感し、今後もPCブランドとしてサポートしていきたいと話す。今回、VARTの監督にしてドライバーをつとめる三間雅文氏と、ドライビングシミュレーションをテーマにして、モータースポーツの「ヴァーチャルとリアル」について語り合った。
文/武井寛史
写真/音速ムービーズ
※アイキャッチ写真…GALLERIA(ガレリア)からVARTとコラボしたゲーミングPCの全5機種が発売された。コラボモデル限定のオリジナル壁紙3種を初期設定及びインストール済。また、購入者限定特典として、VART x GALLERIAオリジナルデザインのステッカー、車両やサーキットなどの臨場感あふれる環境、ダイナミックなライティング、リアルな質感を高次元で再現する 『PC(DMM GAME PLAYER)版 アセットコルサ アルティメットエディション 日本語版』のダウンロード版インストールコードが付属される。さらに初回300台にはVARTファン垂涎の映像特典DVDが同梱する大盤振る舞い!
■フィクションでありつつ、リアリティを追求
三間雅文(以下、三間)/この前は悔しかったですね。実車ではまだ若いメンバーに負けるつもりはなくても、ゲームだとどうしても勝手が違う。メンバーの石川界人や畠中 祐は、昔からゲームに慣れているから、やっぱり速かった。
森畑 崇(以下、森畑)/先日、開催した「VART GALLERIA GAME CHALLENGE」ですね。弊社のゲーミングPC GALLERIAを使って、最高峰のドライビングシミュレーション「アセットコルサ」で、メンバーの方々に闘っていただきました。
三間/僕は今まで、草レース程度ながらもリアルなモータースポーツはいくつか経験してきました。その目線でみても違和感なくそっくりなのには驚きました。風景を含めてコースの細部まで再現されているし、実車の挙動がそのままヴァーチャルの世界にもあった。僕らが慣れ親しんだエビスサーキットとか、国際コース以外も豊富に取り揃えられているのも嬉しかった。
森畑/アセットコルサは、実際にプロドライバーが監修していますし、ドライビングの練習に最適なシミュレーションソフトだと思います。それだけの情報量をもつソフトだと、PC側にも相応のスペックが求められます。だからこそ「ゲーミングPC」と呼ばれるものが必要になる。大容量かつ通信をともなうゲームを我慢なく動かせるハイスペックPCだと思っていただければいいと思います。
三間/だからあのリアルな映像を含めて、実車さながらの体験ができるんですね。「ヴァーチャルな世界で、どこまでリアルを追求し、臨場感を追い求めるか」というのは、僕の仕事にも通じるかもしれません。
森畑/三間さんは『イニシャルD』の音響監督をされていますが、一連の作品は本当にクルマが好きなクリエイターたちが作ったんだということを感じます。
三間/最初は音声だけのドラマCDから始まったんですよ。映像がないからこそ、声優たちの声がより重要だった。結果的にクルマや作品に対して、情熱のある人間が集まったと思います。最高の声優たちが集まり、抜群のセリフまわしができました。その後のアニメにしても3D CGが使われていて、緻密な表現がされていました。「人が乗ったらちゃんとクルマが沈む」ところまで表現されるアニメーションなんて、当時はなかった。
■ヴァーチャルとリアル、両方体験できるのはクルマだけ!
森畑/シミュレーターっていろいろな分野があるんですよ。飛行機や電車とか、あるいは戦闘モノとか。でも、それらは一般の方々にとって、決してリアルでは経験しないもの。「ヴァーチャルとリアルの両方を体験できる」のってクルマだけなんですよね。でも、だからこそ細部にいたるまで忠実に再現しないと、すぐユーザーに見破られてしまうんです。三間さんのようなリアルなモータースポーツを知っていらっしゃる方にこそ、シミュレーターをもっと知ってほしいですね。
三間/これを知ったら夢がふくらみますね。シミュレーターで練習を積んだことをリアルな世界に活かせるんだから。僕らは今まで、さんざんガソリンとタイヤを使って、高いチューニングパーツを買って、ときにクルマを壊したりもしながら、大枚をはたいて練習してきました。けれどもシミュレーターなら、設定画面ひとつであらゆるマシンセッティングを試すことができる。
森畑/オンラインで誰かと闘うこともできますよ。メンバー同士でレースをしていただいて、それを世界中に配信したり。あるいはファンの方々にVART号に乗っていただくとか、VART号だけのワンメイクレースとか。赤城峠や首都高でイニシャルDの声優さんたちに走っていただいてオンライン配信したら、そのまんま『イニシャルD』ですね。
三間/それは楽しそう。現実では絶対にできないことですね。でも、僕の走りが公開されるのはちょっとイヤだなぁ……。それに若いメンバーに負けたら、ぜったい仲間割れする。僕は上手いひとのドライビングをシミュレーターで見てみたい。どこでブレーキを踏んで、どうステアリングを切っているとか。僕は教えてもらうのが下手だし、インカー映像を見てもなかなか感触がつかめなくて。
森畑/みなさんで走りを見直して、研究するのはいいかもしれないですね。他のジャンルのゲーマーさんたちを見ていても、プロの技を盗んで上手くなっていきますから。
■「リアル」を知る人こそ、「ヴァーチャル」の魅力が際立つ
三間/新型コロナ禍のご時世では、VARTのメンバーとはなかなか外で会ったり、練習することができなかった。ガレリアさんと出会う前は、市販のゲーム機で練習していたんですけどね。ガレリアとアセットコルサとのコラボには、より可能性を感じました。
森畑/なかには実車さながらの運転席を作って、大型モニターを囲むようにおいたり、VRを使って練習する方もいます。
三間/これなら僕だったら、実車を輪切りにして運転席だけを部屋に置いておきたい。どんどん深みにハマっていく感覚、わかる気がします。
森畑/私たちにとって、リアルなモータースポーツを知る方々のご意見ってとても重要なんです。ゲーミングPC(ソフト)と人とのインターフェイスをどうすべきかというのを含めて、勉強させていただくことが多い。VARTとのコラボモデルができたら、ひとりでも多くのみなさまにシミュレーターの魅力を、そしてeスポーツの楽しさを知ってほしい。
三間/僕みたいに今まで食わず嫌いしていたような人たちにこそ、シミュレーターをどんどん体感してほしい、と思うようになりました。逆にゲームしか知らない若い子は、こういうツールをきっかけにクルマが好きになったり、リアルなモータースポーツをやるようになったらいいな。
森畑/それは私も同感です。繰り返しますが「ヴァーチャルとリアル」をシナジーさせて楽しめるなんて、モータースポーツを含めたクルマ趣味だからこそできること。その両方を楽しみ尽くさなければもったいないですよ!
【GALLERIA VARTコラボモデル特設ページ】
https://www.dospara.co.jp/5gamepc/cts_collab_vart
投稿 「クルマ好きにこそ、シミュレーターの魅力を知ってほしい!」 VARTの監督 三間雅文がGALLERIAの株式会社サードウェーブ 森畑崇と語り合う は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。