新車購入時に頭を悩ますのがオプション選び。後付けできないものもあるだけに、じっくり考えて計画的に注文する必要がある。とはいえ、新車を購入するという高揚感にまかせて「あれも、これも」と、無駄なオプションまで購入してしまいがち……。
今回は、ディーラーの営業マンが顧客から聞いたナマの声をもとに、無駄遣い&後悔をしないためのオプションの選び方をご紹介しよう。
文/関谷明日香、写真/トヨタ、ホンダ、写真AC
【画像ギャラリー】オプションの断捨離をしよう!(11枚)画像ギャラリーオプションには2種類あることを知っておこう!
新車購入時にオプションのリストを見せられると、「なんとなく付けておいたほうがいいかも……」と思ってしまうもの。しかし、結局は買い替えの時までほとんど使わなかったといった経験をしたことがある人は多いはずだ。
そんな無駄なオプションを付けないための第一歩は、メーカーオプションとディーラーオプションの違いをしっかりと知っておくこと。ここで2つのオプションの違いをおさらいしていこう。
メーカーオプション
メーカーオプションは、クルマを製造する段階で付けるオプション。装着に時間がかかる、ボディに特殊な加工を施すといった理由で、後から追加することはできない。主なものとしてサンルーフや本革シートなど。
ということで、後で「付けておけばよかった」と後悔する人も多いため、予算に限りがあるなら、とりあえずディーラーオプションは先送りにして、新車購入時にはこちらを優先して選択したほうが無難。ただし、ディーラー側に許されている値引き幅は小さいため、値引きはさほど期待できないのが難点。
メーカーオプションで後悔しないための最善策は、事前に自分が購入しようとしているクルマにはどのようなメーカーオプションが設定されているのかを予習し、契約時には迷いがない状態にしておくことだ。
ディーラーオプション
ディーラーオプションとはクルマの製造後にディーラーが装着するオプション。購入後しばらくしてからの追加依頼も可能だが、後付けのほうが高額になることもあるので新車購入時に選ぶほうがお得な場合が多い。ディーラーの裁量で値段を決めることができるため、比較的リーズナブルな価格設定になっていることも多い。
メーカーオプションとは異なり値引きをしてもらいやすいため、「必須ではないものの、なんとなく欲しい」と思ったら、値引き交渉をして、納得の値引き額が引き出せたら装着してもいいだろう。
付けて良かったという声が大きいオプション
ここからは、付けて良かったという顧客からの声が大きいオプションを紹介していこう。
・純正カーナビゲーション(メーカーオプション)
見た目のきれいさにこだわるならメーカーオプションものを。内装デザインに合うよう考慮されているため、社外のカーナビよりも統一感が出て、インテリアのバランスを崩さずに済む。社外品は安価なものも多いため迷うところでもあるが、純正品の保障期間は一般的に3年。対する社外品のほとんどが1年。この保証期間の差で純正品に決定する人も多い。
・バックモニター(メーカーオプション)
稀に、運転に自信があるからいらないという人もいるが、やはりこれは付けたほうがいい装備だ。家族で共有するから仕方ないと渋々装着した人も後になって、「駐車時のサポート、死角が見えるのが助かる」などと「付けてて良かった!」といった声を寄せる人も多い。
・スマートエントリーシステム(メーカーオプション)
「迷ったけれど、意外に便利だった」という声が多いのがこれ。キーを差し込むことなくロック・アンロックができるため、荷物が大量にある時や大きい荷物を持っている時、子どもを抱っこしてる時などに便利なオプションで、ファミリー層に人気のオプションだ。
付けなきゃ良かったという声が大きいオプション
ではここからは、付けなくてもよかったかも……という声が大きいオプションを紹介していこう。
・サンルーフ(メーカーオプション)
電動で開閉するためにいちいち時間がかかったり太陽光からの紫外線が気になったりして、そのうちに使わなくなる。ということで、意外にもサンルーフはあまり人気がないオプションだ。しかし、下取りの際はサンルーフ付きのクルマは有利になることも多いため、迷いどころではあるが……。
・リモコンエンジンスターター(ディーラーオプション)
付ける人はかなり多いオプションだが、アイドリング時間を伸ばし、ガソリンを必要以上に消費するということで、結局使わなくなったという人も多い。自宅の駐車場でエンジンをかけっぱなしにするとご近所迷惑になる、環境問題が叫ばれる今の社会情勢には合っていないかもといった声も。
・高級なフロアマット(ディーラーオプション)
フカフカのフロアマットにして、高級感を出したいということでグレードの高いフロアマットをオプションで付ける人は意外と多い。高級なものは10万円近くするものも。ディーラーとしては値引きしやすいため強く薦めることが多いが、「結局のところ、外からは見えないし、子どもに汚されまくりだし……。自己満でしかなかった」といった嘆きの声をよく聞く。ここはスタンダードなものを購入するのが良さそう。
・後席テーブル(ディーラーオプション)
「子どもが使うかなと思って付けたものの、チャイルドシートとの関係で邪魔になってしまったりして意外と使わなかった」との意見が多めのオプションだ。
営業マンがマジでお薦めしたい&実はお薦めしないディーラーオプションとは?
ディーラーオプションはメーカーオプションとは違って、クルマを購入した後にも付けられるのがメリット。ただし、メーカーオプションより安価だったり、値引きをしてもらえるので、つい「あれも、これも」と、無駄遣いをしてしまう危険もある。ここからは営業マンがお薦めするものと、「ちょっと考えてもいいのでは?」というものを紹介。
お薦めディーラーオプション
・フロアマット
前項で解説したとおり、高級なフロアマットはお薦めしない。しかし、スタンダードなものならサイズ感や、デザイン性の面から考えてもディーラーオプションで購入するのがベスト。専門店などでも売ってはいるが、クルマのデザインに統一感がなくなってしまったり、サイズがしっくりいかなかったりすることも。社外品を試行錯誤して買い替えたりするよりは、ずっと安あがりだ。
・ドライブレコーダー
最近テレビのニュースなどでも取り上げられることが多くなった、あおり運転や事故の際にも決定的な証拠があるとないとでは大違い。証言だけでは不十分な事故の証拠も、ドライブレコーダーがあることで信頼性が上がる。これは絶対にお薦めしたいオプション。
・ETC
後々、社外品を購入するのも初期の価格を抑えたい人にはありだが、商品探しや、取り付け作業が面倒というならディーラーオプションでETCを装着してしまうのがお薦め。
「それいる?」なディーラーオプション
・ボディコーティング
意外かもしれないが、ディーラーオプションの定番でもあるボディコーティングはお薦めしないオプションだ。新車購入時に値引き条件のひとつとして「ボディコーティング」を提示されるのは定番。車両の値引きはこれで限界だけど、ボディコーティングを無料にするという手法で口説かれることも多いが、これに飛びついてはダメ! 実は、ディーラーの提示している料金は、コーティング専門店よりも数万円も高いことが多いのだ。車両価格の値引きはあまりしてもらえないけれど、コーティングが無料なら……なんて思ったら損をする!
最後に、下取りを考えるならオプション選びはより慎重に。万人が欲しい(必要)と思うオプションは下取りの時にも高評価につながるが、自己満のカスタマイズオプションは評価を下げることになるということは肝に銘じよう。
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