TikTok(ティクトック)は、ユーザーが最長10分の動画をアップロードできる機能を展開し始めたことをTechCrunchに認めた。Tiktokは過去数カ月に渡ってこの変更をテストしており、今回、正式な提供開始となる。これまでTikTokの動画は、2021年7月の変更で最長3分となり、それ以前は当初15秒でスタートした後に60秒が上限だった。
「当社は、コミュニティに価値をもたらし、TikTokの体験を豊かにするための新しい方法を常に考えています。2021年、動画の時間を伸ばし、コミュニティがTikTokで創造し、楽しむための時間を増やしました」とTikTokの広報担当者は声明で述べた。「今日、最長10分の動画をアップロードする機能の展開を開始したことをうれしく思います。世界中のクリエイターのためにさらに創造的な可能性を解き放つことを期待しています」。
この動画時間の拡大により、クリエイターは、料理の実演、美容チュートリアル、教育コンテンツ、お笑いコントなどを撮影する際に、より多くの時間と柔軟性を得ることができる。以前は、クリエイターはTikTokの制限を回避するために、動画シリーズのパート2以降を視聴者にフォローするよう促していた。この方法は時には有効だが、ユーザーにとっては、シリーズの適切な動画を見つけるためにクリエイターのフィードをスクロールしなければならず、フラストレーションがたまることがある。
今日の発表によりTikTokは、2021年に288億ドル(約3兆3150億円)の広告収入があったYouTube(ユーチューブ)のより強力な競争相手となる。しかし、YouTubeはTikTokの成長について十分に脅威を感じており、自社のアプリ「YouTube Shorts」で直接、短編動画のライバルを立ち上げている。ただ、短編動画のホストはTikTokの唯一の強みではなく、特殊効果のライブラリ、ARツール、音楽カタログなどの機能の組み合わせで知られている。また、ステッチやデュエットなど、クリエイターが他のユーザーのコンテンツとコラボできる機能も人気だ。
TikTokの脅威に気づいたソーシャルアプリはYouTubeだけでなく、Instagram(インスタグラム)も2020年にTikTokクローンであるInstagram Reelsを発表した。それ以来、InstagramはデュエットのようなRemix機能など、TikTokに類似したいくつかのReels機能を展開している。また、Facebook(フェイスブック)にもReelsを導入した。そしてSnapchat(スナップチャット)もPinterest(ピンタレスト)と同様、TikTokのような動画機能を開始した。
しかし、TikTokがYouTubeの広告収入を追いかける中、YouTubeはテレビ広告に注力している。Google傘下のYouTubeは最近、デジタルNewFrontsの代わりに、5月のTV Upfrontsの週に毎年恒例のBrandcast広告主イベントを開催することを発表した(ただし、デジタルNewFrontsではスポンサーを続ける予定だ)。
TikTokによると、アプリでより長い動画を撮影するオプションは、今後数週間で世界中のユーザーに提供される。アップデートを受信すると、ユーザーは通知を受ける。また、この機能を試す前に、最新バージョンのTikTokを使用していることを確認する必要がある。
画像クレジット:Nur Photo / Getty Images
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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi)