ポルシェを満載した貨物船が炎上:クルマはどうなる? 大西洋で貨物船が火災を起こした。車内にはたくさんのポルシェが・・・。乗員は助かったが、クルマはどうなるのか?
悪夢の再来
まるでデジャヴのようだ。大西洋で貨物船が火災を起こし、その船には、またもや何台かのポルシェの新車が乗船していたのだ。前回の事故は、2019年2月にフランス沖300kmのビスケー湾でイタリアの貨物船「グランデ アメリカ」号が火災を起こし、沈没したのは記憶に新しいところだ。その火災によって、その船に搭載されていて、残らず犠牲となった2,000台のクルマの中には、「ポルシェ911 GT2 RS」が4台含まれていた。そして、今回はポルシェを積んだ船が大西洋で火災を起こしたのだった!
各メディアの報道によれば、貨物輸送船「フェリシティ エース」号で火災が発生したとのことだ。4,000台もの車を搭載したパナマの旗を掲げて航行する全長約200メートルの船は、エムデンからデイビスビル(米国)に向かう途中、貨物室で火災が発生したが、その発火原因はまだ分かっていない。遭難信号を受け、ポルトガル海軍がアゾレス諸島付近で22人の乗組員を救助するために出動した。乗員は全員無傷だった。
しかし、その貨物、4,000台のクルマがどうなったかは不明だ。荷物のほとんどは、VWやポルシェの車だという。その中には、YouTubeチャンネル「The Smoking Tire」などでカーコミュニティーに知られるマット ファラー氏の「ポルシェ718ボクスター スパイダー」も含まれている。
車両はどうなるの?
ファラー氏は、ディーラーから、少なくとも98,379ユーロ(約万円)もする新品のボクスター スパイダーが炎上した船に乗っていると連絡があったとツイートしている。ファラー氏と同じように、ポルシェを心待ちにしていた多くの米国の顧客も、同じように感じていることだろう。一方、ポルシェも、「当社の車両の一部が船内にあるものと推測されます。詳細が判明次第、販売店より該当するお客様にご連絡いたします」という声明を発表している。
現在、「フェリシティ エース」号は乗組員なしで大西洋を漂流しているため、現段階では損傷の程度を判断することはできない。もちろん一番大事なのは、この事故で人が負傷することなく救出されたことだ。
ポルシェは海運には縁がないようで、2019年2月にフランス沿岸から300km弱離れたビスケー湾でイタリアの貨物船「グランデ アメリカ」号が火災を起こし、その後沈没してしまったばかりだ。当時積載されていた2,000台のクルマの中には、新品の「ポルシェ911(991)GT2 RS」が4台含まれていた。当時、700馬力の「GT2 RS」の生産はすでに終了していたため、ポルシェはその4台を追加で生産した。
Text: Jan Götze
Photo: RetroTechNoir