横浜市・山中竹春市長は14日、定例記者会見を実施。「ハマのドン」の発言について見解を尋ねた。
「ハマのドン」と呼ばれ、横浜経済界に強い影響力を持つ藤木幸夫横浜港ハーバーリゾート協会会長(91歳)は4日、市内の宴会場「ロイヤルホールヨコハマ」で、同協会らが主催する「年始の会」に出席。黒岩祐治知事や山中市長らも参加するなか、山中市長が市議会にいじめられていると訴え、次のように語ったという。
「分かりやすくいじめているならまだいいんだけど、自民党と公明党が実に陰険なやり方でいじめているんです。許せないですよ。主権在民ではないんです。主権官邸。菅が言うには『1日も早く辞めさせるんだ』と。じかに聞いたわけじゃないから責任持てませんけど、そう言っているらしい。そんな横浜じゃ困るんだよ」
さらに、2023年に予定されている横浜市議会選挙については、こう意気込んだ。
「私が生きているかどうかは分からないけど、生きていれば自民党と公明党、全部落とします」
藤木会長の熱い応援を山中市長はどう思っているのか。会見で尋ねた(敬称略)。
【西谷】藤木会長の年始の挨拶について、どう感じる?
【山中】市長と市議会が協力して(市政運営を)進めていくべきだと思いますし、今年も新年も色々な先生方と対話しながら、市政を進めていきたいと考えております。
【西谷】では「いじめられている」とは思っていない?
【山中】特には、はい、そういった認識はございません。
【西谷】藤木会長の応援についてはどう思う?
【山中】横浜の発展に尽力していくためには色々な方々のご支援とご協力が必要です。そういった観点から応援して頂ける方がいるのは大変ありがたい。
藤木会長は21年10月19日、衆院選候補者の応援演説で、次のように語っていた。山中市長と面会した際に、市長は号泣したというのだ。
「この間、二人きりで会いました。市庁舎へ初めて行った。はじめは二人きりで会長と話したいと。泣いて涙こぼして、ぼろぼろ泣いてね。声が出ないんだ。何か言いたいことがあるだろうし、聞きたいこともあるだろうし。胸にね、何かが詰まっちゃってね、ぼろぼろ泣いて。本当に私も涙が出ちゃう。しゃべれないんですよ」
当時、山中市長の精神は極限状態だったのだろうか。せっかくの機会だったので、会見で本人に聞いた。
【西谷】藤木会長と面会時に泣いたそうだが、いったい何があった?
【山中】特にぼろぼろ泣いたということはございません。
【西谷】藤木会長の話は事実ではないということ?
【山中】藤木会長がどういうふうにご発言をされていたのか、承知していませんので、ご回答は控えさせて頂きます。
藤木会長の「ぼろぼろ泣いた」発言の様子は、下記YouTubeに残されている。該当箇所は12:40ごろ。
山中市長の回答は藤木会長の発言と完全に食い違っているが、果たしてどちらが本当なのだろうか。藤木会長は市長選で立憲民主党などとともに、山中氏を支援すると表明していた。とはいえ、「大丈夫かなこの人で、と思いますよ。初めてはね」、「議会でいじめられています」、「ぼろぼろ泣いた」など、山中市長にとってプラスになっているのかどうかよく分からない発言もしている。91歳、怖いもの無しである。