Intel Celeron 5205u は 2020年5月以降に発売された3万~17万円という幅広い価格帯のノートPCに使われているCPUです。
Intel Celeron 5205u 搭載ノートPCはコストパフォーマンスが高いのか、あるいは割高な性能なのか、購入を検討されている方は是非この記事をご一読下さい。
Intel Celeron 5205u とは
Celeron 5205uは、2019年の第4四半期に発売された省電力CPUで、第9世代のCore-i シリーズと同じ発売時となります。
CPUのプロセスルールは6世代と同様の14nm を採用しているものの、グラフィック機能10世代の「INTEL UHD Graphics」を搭載しているのが特徴です。
Celeron 5205u の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:2 スレッド数:2 |
基本クロック | 1.9GHz |
グラフィック | Intel UHD Graphics(第10世代) |
TDP | 15W |
Celeron 5205u は 第3世代のINTEL Core-i3 並み
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを比較すると、 Celeron 5205uの CPU性能は第3世代のCore-i3 と同等であり、グラフィック性能は 第10世代のCore-i3と同等です。
CPUの性能はあまり高くはありませんが、一般的な事務作業であれば問題無く使えます。
以下の用途に限定するなら、動作がイラつくことは無いと思います。
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用程度
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
重いと感じるかもしれませんが、我慢すれば下記の用途も可能です。
- Zoomによるテレビ会議
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
注意点として、PCの性能(サクサク感)はCPUだけで決まるわけではなく、メモリの容量や内蔵ストレージの性能(容量、速度)で大きく変わります。
購入されるノートPCのメモリが2GB以下、ストレージが64GB以下の場合、このCPUの性能が生かしきれなくなるため、購入の際はその辺のスペックもチェックしておいてください。
このCPUが搭載されているノートPCの傾向
5205uが搭載されているノートPCは3万円台~17万円台という幅広い低価格帯のラインナップになっており、メモリは4GB~8GB、ストレージは64GB~256GBと幅広く、Officeがバンドルされているものや、タッチパネルが搭載されているものなども存在します。
2021年末の価格COMに掲載されている製品数は21点でした。
これらのデータを集計すると次の様な結果になりました。
補足 項目 | スペック | 補足 |
---|---|---|
画面サイズ | 13.3~15.6インチ | 約7割の製品が15.6インチ |
解像度 | FWXGA(1366×768)~FullHD(1920×1080) | 約4割の製品がFullHD |
重量 | 1.38kg~2.00kg | 約5割の製品が1.5kg超え |
メモリ | 4GB~8GB | 約7割の製品が4GB搭載 |
ストレージ | eMMC64GB~HDD1TB | 約7割の製品がSSD256GBを搭載 約1割の製品がeMMC又はSSDの64GB |
DVDドライブ | 搭載無し、又はDVD±R/±RW/RAM/±RDL | 約5割の製品が内蔵ドライブ搭載 |
Office | 搭載無し、 又は Microsoft Office Home&Bussines 2019 以上 |
約6割の製品がOfficeを搭載 |
駆動時間 | 8.6時間~10.5時間 | 約4割の製品が10時間以上 |
価格 | 4万円台~17万円台 | 平均価格は8.8万円 |
上記のことから 5205u は、 ワードやエクセルなどの文書作成用途として、会社や自宅で普段は据え置きで利用し、たまに室内での移動や外出での持ち運びがあるといったユーザーをターゲットにしているようです。
価格の幅はオフィス製品の付属有無、タッチパネルの有無、重量やバッテリー駆動時間で各社特徴を持たせているからだと想像出来ます。
オフィス製品を既に持っているとか、オフィス製品は要らないから更に重い処理をしたいという方は、この値段帯で購入できる Core-i3 やCore-i5 搭載のノートPCを探した方が良いでしょう。
ベンチマークで性能を比較
結論を先に描きましたが、ここからはその理由を簡単に説明しておきます。
下記一覧は、 Celeron 5205u のベンチーマーク性能(CPU:PassMakr、GPU:FireStrike) を、Core-i3の世代別性能と比較したものになります。
CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格 クロック |
最大 クロック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i3 8130U | 3804 | Intel UHD Graphics 620 |
990 | 2 | 4 | 15W | 2.2GHz | 3.4GHz |
Core i3 7100U | 2774 | Intel HD Graphics 620 |
808 | 2 | 4 | 15W | 2.4GHz | – |
Core i3 6100U | 2628 | Intel HD Graphics 520 |
707 | 2 | 4 | 15W | 2.3GHz | – |
Core i3 5010U | 2157 | Intel HD Graphics 5500 |
594 | 2 | 4 | 15W | 2.1GHz | – |
Core i3 4025U | 1930 | Intel HD Graphics 4400 |
492 | 2 | 4 | 15W | 1.9GHz | – |
Celeron 5205U | 1451 | Intel UHD Graphics (第10世代) |
1428 | 2 | 2 | 15W | 1.9GHz | – |
Core i3 3227U | 1295 | Intel HD Graphics 4000 |
411 | 2 | 4 | 17W | 1.9GHz | – |
Core i3 2350M | 1228 | Intel HD Graphics 3000 |
198 | 2 | 4 | 35W | 2.3GHz | – |
Celeron 5205u は2019年に発売された比較的新しいCPUですが、廉価版のため第3世代のCore-i3の性能しかありません。
Excelやワードなどのオフィス製品、ネットサーフィン、YouTubeやNetFlixなどの動画鑑賞などの軽い用途に限定すれば、ストレス無く使えるでしょう。
グラフィック性能は第10世代のCore-iシリーズと同じチップを搭載しているため、それほど重くない3Dゲームであれば、設定を調整することで十分遊べるレベルになっています。
まとめ
今回は Celeron 5205u の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとに、Core-i3の中でどの世代に匹敵するかについて検証しました。
このCPUは3万台~17万円台という幅広い価格帯のノートPCに採用されています。
価格はオフィスの有無、タッチパネルの有無などの使い勝手の部分で大きく変わっており、必ずしも価格が高い=「メモリ搭載量が多い」、「ストレージ性能が良い」という訳ではありませんので、購入の際はしっかりチェックして下さい。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。