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2020年になる前に、世界のスマートフォンの出荷台数はすでに縮小し始めていたが、2年間のパンデミックと、その結果としてのサプライチェーンとチップの制約で数字はさらに悪化していた。しかしCounterpoint ResearchIDCのレポートによると、2021年に市場はやっと2017年以来初めての成長を経験している。

Counterpointは全体の前年比成長率を4%とし、IDCはやや楽観的な5.7%としている。しかし両社とも、第4四半期は6%または3.2%の減少としている。半導体の不足が続いたため減少は予想されていたが、小さなメーカーは特に影響が大きく、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)などのようにサプライチェーンの工夫ができない分、第4四半期の減少も大きかった。

両調査会社とも、2022年の伸び率ではSamusungがトップで、どちらも6%となっている。Appleが2位だ。また最近のCanalysのレポートでは、Appleが1位になっている。3社の調査レポートの傾向に大きな違いはない。Apple自身も、その優秀だった決算報告でこの傾向を確認したが、そこではiPhoneの成功が特に大きく寄与していた。

画像クレジット:Counterpoint Research

AppleのiPhone部門は前年比で9%増の716億3000万ドル(約8兆2529億円)だった。Tim Cook(ティム・クック)CEOは、サプライチェーンの制約は引き続き同社のハードルであり、需要に供給が追いつかない市場も一部にあった。しかし問題は収まりつつあり、前進できると決算報告で述べている。このような問題は、最終的には、そうでなければより強固に回復したであろう市場を指し示している。

IDCリサーチディレクターのNabila Popal(ナビラ・ポパル)氏は「2021年は、供給の制約がなければ、劇的に高い成長率になっていたという事実が、2021年の健全な5.7%の成長率をさらにポジティブなものにしています」とリリースで述べている。「私にとっては、ほぼすべての地域で大きな潜在需要があるというメッセージになります。消費者需要の弱体化をめぐる課題がある中国でさえ、第4四半期の市場は予想をはるかに上回り、正確には5%上回ったが、それでも前年同期比では減少しています」。

画像クレジット:IDC

中国は引き続きサプライチェーンの制約により強い打撃を受けているが、2位と3位のスマートフォン市場は2021年に成長を遂げた。

「米国の成長は、Apple初の5G対応iPhone 12シリーズの需要が2021年の第1四半期まで伸び続けていたことが大きな要因です。この需要は年間を通じて継続し、ブラックフライデーやホリデーシーズンのプロモーションのおかげで第4四半期は好調に終わりました。インドでも中・上位機種の買い替え率の上昇、入手性の向上、魅力的な融資オプションにより、好調な1年となりました」とCounterpointのアナリストであるHarmeet Singh Walia(ハーミート・シン・ワリア)氏は述べている。

10年近くにわたる力強い成長の後、アップグレードサイクルの遅れ、高価格、市場の飽和により、パンデミックの前にスマートフォンの需要の減少は拡大していた。新型コロナウイルスは、消費者の消費意欲を減退させ、その減速にさらに拍車をかけた。これらの問題は、サプライチェーンの問題によってさらに悪化してしまった。しかし、需要の高まりと5Gのようなものが再び消費者の関心を呼び起こしているが、全体の出荷量はまだパンデミック以前のレベルを下回っている。

画像クレジット:Fajrul Islam/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)