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 ベストカーClubはベストカーの読者で構成される有料会員制クラブで、これまでにエコカーカップの参戦、ニューモデル試乗会、オフ会など、独自のイベントを展開している。

 残念ながらコロナ禍のイベント規制などにより、2021~2022年も前年に引き続きほぼイベント自粛状態にあるが、ベストカーClubの目玉企画のひとつに、ベストカーWebおよびベストカーClubが設置した独自のカー・オブ・ザ・イヤー『ベストカー・オブ・ザ・イヤー』(以下BC-COTY)の選考というものがある。現在ベストカーClub員は約30名で構成されているが、その精鋭たちが各々の思いを込めて投票する。

 ご存じのように、本家日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)の2021-2022イヤーカーには、日産ノート/ノートAURA/ノートAURA NISMO/ノートAUTECHクロスオーバーが輝いた。それに対し、独自評価で選ぶベストカーClubが選んだ2020-2021イヤーカーは、多くのClub員たちからの支持を得たトヨタGR86/スバルBRZが受賞!!

文/ベストカーWeb編集部

写真/奥隅圭之、小林邦寿、平野 学、西尾タクト、中里慎一郎

【画像ギャラリー】こちらのCOTYにも注目!! トヨタGR86/スバルBRZがベストカー・オブ・ザ・イヤー2021-2022に輝いた!(22枚)画像ギャラリー

■まずは事前に10ベストカーを選出

日本で最も権威のあるクルマの賞である『日本カー・オブ・ザ・イヤー』の2021-2022年イヤーカーを受賞したのは日産のノートシリーズ

 2021-2022年のノミネート車は『2020年11月1日~2021年10月31日までに日本で発表された新型車』というレギュレーションは本家COTYに準じている。2021-2022BC-COTYのノミネート車は、日本車が20台、輸入車が12台の合計32台となった。

 第一次選考として32台のノミネート車の中から10ベストカーを決める。選考方法は、本家COTYのレギュレーションと同じく、選考者が2021年を代表するクルマにふさわしいと思う10台をセレクトするというもの。

 多くの人から選ばれたクルマを上から順に10ベストカーが決まることになる。そしてこの10ベストカーがイヤーカーの座をかけて、最終選考に臨むことになる。

 2021BC-COTYの10ベストカーは以下のとおり。ちなみに掲載順は得票とは無関係だ。

【2021-2022BC-COTY 10ベストカー】
■トヨタGR86/スバルBRZ
■トヨタMIRAI
■トヨタランドクルーザー300
■シボレーコルベット
■日産ノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノートAUTECHクロスオーバー
■BMW M3/M4

■メルセデスベンツCクラス
■VWゴルフ
■三菱アウトランダーPHEV
■日産GT-R2022年モデル

本家COTYの10ベストカーから、ヴェゼル(写真)、BMW4シリーズの2台が抜けている

 本家COTYは、基本的には同じメーカーから複数のクルマが選ばれることはないのだが、BC-COTYの場合はもちろん、そのあたりの忖度はいっさいない。

 2020年11月1日から2021年10月31日までに多くの新型車が登場したなか、コロナ禍という経験したことのない状況下で、トヨタ車が10台中3台を占めていた。これは前回の11台中4台に続き、トヨタ車の強さが際立っていたことの何よりの証と言えるだろう。

 イヤーカーの選考方法は、これも本家COTYに準じている。

BC COTYの2020-2021イヤーカーはさらにその前年のトヨタGRスープラに続き、GRヤリスが受賞

【イヤーカー選考方法】
 各人の持ち点は25点。それを5台に振り分けるが、必ず1台に10点を入れなければいけない。例えば10点、10点、5点というような配分は5台選出のレギュレーションを満たしていないためダメ。なお、同点の場合は、高得点があったほうを上としている。

 さて、採点方法に縛りのあるなか、どのクルマが2021-2022BC-COTYのイヤーカーに選ばれたのか? ちなみに前回2020-2021年のイヤーカーは、トヨタGRヤリスだった。それでは結果を発表しよう。

■最終選考の結果やいかに!?

【2021-2022BC-COTYイヤーカー選考結果】

10位/メルセデスベンツCクラス(総得点:25点、得票率:5.5%)

さらに上級移行となって登場した新型メルセデスベンツCクラス。日本では600万円以上の高価格帯に!

9位/VWゴルフ(総得点:40点、得票率:8.8%)

第8世代となったVWゴルフ。1Lと1.5Lのマイルドハイブリッド車を設定し、スポーツモデルの2Lターボ、GTIも健在!!

8位/BMWM3/M4(総得点:50点、得票率:11.1%)

ベースモデルで480psを発生する直6、3LDOHCターボを搭載するFRスポーツ、BMW M4。コンペティションは510ps仕様となる

7位/トヨタMIRAI(総得点:50点、得票率:11.1%)

2代目となり、新たにラグジュアリーサルーンとして生まれ変わったMIRAI。ベースは現行型クラウンとなる

6位/日産GT-R2022年モデル(総得点:54点、得票率:12.0%)

最終型となるGT-R2022年モデル。T-SPECは2モデル合計で100台の限定販売だった

5位/トヨタランドクルーザー300(総得点:62点、得票率:13.7%)

納車待ちが4年以上となっているランクル300。伝統のモデルに今回からGR SPORTグレードも新たに設定されている

4位/日産ノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノートAUTECHクロスオーバー(総得点:73点、得票率:16.2%)

ノートの上級仕様となるノートオーラ。そのスポーツモデルが写真のノートオーラNISMOだ

3位/三菱アウトランダーPHEV(総得点:86点、得票率:19.1%)

三菱がランエボやパジェロで培ってきた伝統の4WDシステムに先進的なPHEVを組み合わせ、渾身のFMCで登場した新型アウトランダーPHEV

2位/シボレーコルベット(総得点:94点、得票率:20.8%)

従来までのFRから歴代で初めてMRに駆動方式を変更したアメリカンスポーツの雄、シボレーコルベット

1位/トヨタGR86/スバルBRZ(総得点:177点、得票率:39.3%)

エンジンを初代の2LDOHCから新たに2.4LDOHCに排気量をアップし、2代目に切り替わった新型GR86/BRZ。その走りはさらなる進化を果たした!

 という選考結果となり、2021-2022BC-COTYのイヤーカーはトヨタGR86/スバルBRZに決定!! 本家COTYのイヤーカーに輝いたノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノートAUTECHクロスオーバーを下しての快挙だ。前々回のGRスープラ、前回のGRヤリスに続き、GRの名を冠したモデルが3年連続でイヤーカーに輝いたことになった。

 これはスポーツ受難時代でカーボンニュートラルに向けてまっしぐらの現在も古典的なFRスポーツの2代目を登場させたことが、クルマ好きの揃っているベストカーClub員の心をガッチリつかんだ何よりの証拠だろう。

 また、歴代で初めて駆動方式をFRからMRに変更し、新世代のアメリカンスポーツとして登場したコルベットもやはりベストカーClub員からの高評価を得ることになった。

 さらに、三菱らしい先進的な4WDシステムとPHEVを組み合わせたアウトランダーPHEVも3位に入っている。

 ベストカーClub員は、単なるスポーツカー、走り好きではなく、クルマ界をトータルして見る目を持っていることの証明と言えるだろう。

 Club員各自の選考理由は性能重視、存在意義、自分で実際に買うことを考えての評価、将来性、先進性などなど多岐にわたるが、当然選ぶ人によって違ってくる。そこが、この手の選考の面白いところでもあると考える。

 最後に2名のベストカーClub員に今回の選考理由について聞いてみた。

■工藤愼一さん

 アウトランダーPHEV(10点)は電源として使える。逆にノート(0点)は使えないから対象外に。ミライ(3点)も電源として使えるけど、水素は災害時に使えるか不安なので点数は低くなった。ほかは最後の純ガソリン車として新規プラットフォームのコルベット(9点)を高く評価し、小型FRの86(2点)は点数低いけど入れました。GT-R(1点)も点数低いけど消滅防止のため点数を付けました。

■おかしらさん

日産ノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノートAUTECHクロスオーバー(10点)、トヨタGR86/スバルBRZ(5点)、日産GT-R2022年モデル(5点)、三菱アウトランダーPHEV(2点)、トヨタMIRAI(1点)、シボレーコルベット(1点)

 自分の経済力で買えるクルマを一番にして、一度は所有して乗り回したいクルマを二番に、最新のデバイスを装備しているクルマなどを考慮して選びました。

■新たに「Club員が買いたいクルマ」にはノートシリーズを選出!

 今回からイヤーカーだけではなく、新しい賞典として「BC Club員が買いたいクルマ」を新設。10ベストカーに選ばれたなかから、Club員が自分自身で買いたいクルマを各自選んでもらった。

 その結果、今回は本家COTYに選ばれている日産ノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノートAUTECHクロスオーバーが選出された。単なるハッチバックモデルだけではなく、上級仕様にそのスポーツモデル、さらにはクロスオーバーモデルまでラインナップに揃えることでユーザーからの幅広いニーズに応えたことが主な選出理由となった。

ユーザーからの幅広いニーズに応えるラインナップが評価され、Club員が買いたいクルマには日産ノートシリーズが選ばれた
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