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楽天グループの三木谷浩史社長がウクライナに個人として10億円を寄付したことを機会に、ネット上では著名な経営者たちによるウクライナ支援についても注目度が増している。

三木谷氏の寄付の動きに前澤氏、孫氏は続くのか?(写真:アフロ)

日本国内で先陣を切ったと言えるのが三木谷氏。27日未明、ツイッターで「僕達にできることは本当に限られていますが、家族と相談し10億円をウクライナに寄付することにしました」と述べ、英語で綴られた、ゼレンスキー大統領宛の親書をアップ。ネットニュースだけでなく、NHKでも報じられるなど話題になった。

さらに三木谷氏は一夜明けた28日午前、「送金完了!」と追加で投稿。「新経連の理事、楽天の役員も寄付を始めてくれました。皆様も本当に少しでも良いので、寄付をお願いします。数がメッセージになり、力になります」とフォロワーらにウクライナへの支援を呼びかけた。

三木谷氏はコロナ禍前にゼレンスキー大統領とも会談するなど、楽天グループは近年、ウクライナとのゆかりを深めてきた。

楽天は2014年2月、キプロスに拠点があるSNS運営会社を買収。同社が運営するメッセージアプリ「バイバー(Viper)」は当時、月間ユーザーが1億人を超える規模で、買収時にウクライナでも普及していた。楽天によれば、外部の調査会社のリサーチで同国のスマホユーザーの97%がバイバーをインストールしているという。無料通話プログラムを開始、ウクライナとロシアでは広告表示を取りやめるなどの支援を打ち出していた。

往年のプロ野球参入やTBS株買収劇を彷彿とさせる三木谷氏の電光石火の動きは反響も大きく、アメリカのエマニュエル駐日大使も「世界が一つになり、明確なメッセージを出すとはこういうことです。 三木谷会長が指導力を発揮し、利益より原則を重視したことに感謝します」と謝意を示した。

三木谷氏は2011年3月、東日本大震災の時にも10億円を個人として寄付。今回はそれに続く規模での「人道支援」となった。

一方、同震災で三木谷氏と同じく多額の寄付をして注目されたのがソフトバンクグループのトップ、孫正義会長兼社長だ。被災した東北3県などの自治体や日赤などの公益法人、東日本大震災復興支援財団、あしなが育英会など子どもたちの関係団体に総額で100億円を寄付。さらに役員報酬も全額寄付に充てるとまで表明し、当時話題になった。

三木谷氏の寄付のニュースが流れた頃から、ネットではこの時の記憶から、

孫さんはどういう形でウクライナの支援するんだろうか?

孫正義はどこにいる?東日本大震災の時と同じように、ウクライナを支援してくれ。100億円の寄付すると言ってくれ。

などの投稿が増え始め、中には、孫氏に直接リプライを送る形で、

孫さん、はじめまして。ウクライナ🇺🇦が今大変です。ぜひ支援をお願いできませんでしょうか?

と呼びかける人も。

また、「お金配りおじさん」の異名を取る前澤友作氏も注目された。その前澤氏は折しも宇宙に滞在した時に「全員お金贈りfrom宇宙」のキャンペーンを発表。最大で100万円を寄付することを発表していたが、宇宙への出発地になったロシアの政情が大きく変化。前澤氏は27日、「ロシアのロケットで宇宙に行ったことは、今はとても複雑な気持ちです。なんでだよという憤りもあります」と複雑な心境を述べながらも「が、これはこれ、決めたことはやり抜きます。」とツイートした。

それでもウクライナへの寄付に関心を寄せるフォロワーから

ウクライナ大使館に寄付できるようですょ

夫婦で500円ずつ当たったのですがウクライナに寄付する方法が知りたいです!

などのリプライが続々飛んでいた。

なお、同じ宇宙関連では、テスラ創業者としても知られるイーロン・マスク氏が27日、経営するスペースXの通信衛星「スターリンク(Starlink)」のサービスをウクライナ上空で開始したことを明らかにした。マスク氏は前日、ウクライナのフョードロフ副首相からツイッターで支援を要請され、1日で即応した。

マスク氏は先ごろ弟と共にテスラ株の売却を巡るインサイダー疑惑が浮上し、お騒がせをしたばかりだが、騒動を打ち消した格好だ。いずれにせよ、世界的にセレブ起業家によるウクライナ支援の輪が広がりつつある。