横浜ゴムのスポーツブラントADVAN NEOVAからストリートスポーツタイヤの最新作AD09が登場した。どうもサーキット専用のタイヤという印象を持たれがちだが、開発陣によればサーキットに行って楽しんで、帰宅できるというのがコンセプトととのこと。
気になるサーキットでの限界挙動を全日本チャンピオンが試し、ジャーナリストが高速道路と一般道でAD09を試します。前作AD08Rから9年ぶりの登場となる次世代スポーツタイヤ『ADVAN NEOVA AD09』を三連続インプレッション!!
文/新井大輝、永田恵一、大音安弘 写真/池之平昌信【PR】
【画像ギャラリー】9年ぶり新作は『ナイン』!! 横浜ゴムからストリートスポーツタイヤ『ADVAN NEOVA AD09』登場!!(24枚)画像ギャラリーサーキットも任せろ!! 全日本チャンピオン新井大輝が限界挙動チェック
新型BRZに新型ネオバAD09を履いて“テルル桶川スポーツランド”へ行ってきました!! BRZの後部座席を倒し、4本タイヤを車に積み込んで現地でタイヤを履き替えると言う週末の大人なサーキットユーザーと同じようなスタイルで楽しんでみました。
実は今回が初めての新型ネオバ(AD09)を実際に運転する日だったので当日はワクワクして気分的には小学生の遠足気分でした。意外かと思いますが、タイヤがしっかり4本積めて移動できるスポーツカーはかなり貴重ですね! 久しぶりに一人の車好きとして楽しむことができました。
今回は一般的にBRZや86ユーザーが一番使いそうな225/40R18を組んで持って行ったのですが、これが一般道でも凄く乗りやすくて先代のAD08に比べると遥かに使い易く万人受けするような素晴らしいフィーリングです。運転していてとても安心して乗れました。
サーキットでは敢えて運転の仕方も少し雑に乗ってみたり、色々試してみたのですが、想像以上にタイヤがカバーしてくれていました。
ハンドルを切ってからドライバーより先にタイヤが思った通りに動いてくれいるのでアンダー傾向で侵入してもタイヤが自然に動いてくれるのでタイヤを中心としてクルっと車体が綺麗に旋回していきます。
摩耗レベルも一回のサーキット走行でも新品状態から使用して、9部山ほど残っていたのでタイヤのライフ的にもAD08よりは期待できる印象を受けました。
初めの何周かは自分のドライビングが上手くなったのかなと錯覚しましたが、別にそんなことは何一つなく、AD09の進化が私の想像を超えていただけでした。失礼しました! 笑
今回のネオバは走行性能の高さもさる事ながら、トレッドパターンのファッション性も兼ね備えているので展示系のイベントでも見栄えはかなり良いでしょう。先代のAD09から培われていた伝統的なトレッドの紋様も引き継がれていることも個人的には凄く嬉しく感じるポイントです。
先代のタイヤはどちらかと言うと、運転している路面のインフォメーションが鋭く伝わってきて、ドライバーの好みで好き嫌いが少し別れるかなと言う印象だったのですが、今回のAD09では路面入力に対する許容範囲がかなり広く設定されていて、アンダーもオーバーの傾向も極めて低く初心者のユーザーに対してもよく考えられているタイヤだなと感じました。
初心者でも安心して「乗って早い」+「履いてカッコ良い」を両立できるタイヤもそうはありませんので、もし機会があれば是非近くのタイヤガーデンなどで実際に見て購入してみて下さいね!!
(文/ラリードライバー新井大輝)
■サーキットまでの道中も快適なのがいいよね
私事だが、リプレイスのハイグリップスポーツタイヤを自分のクルマに履いたのは10数年ぶりで、そのとき履いていたのはアドバンネオバAD07だった。
AD07を履かせていたのはライトチューンしたAE111レビンで「扱いやすく、悪い意味でなく当たり障りのないハイグリップスポーツタイヤ」という記憶があり、そんなことも思い出しながらネオバAD09を試してみた。
ネオバAD09を高速道路で走らせた印象は「いい意味で意外に普通」というAD07に通じるところのあるものだった。具体的な例として乗り心地、静粛性という快適性を挙げると、それぞれ点数を付けるとしたら交換前と同等だ。
ただそのタイプは、乗り心地はケース剛性の高さなどによるものなのか重厚感、シッカリ感がありながら不快な硬さはない、静粛性も絶対的な音量は交換前と同等で音質は低周波に変わった。
それぞれハイグリップスポーツタイヤというジャンルを考えれば納得できるもので、むしろハイグリップスポーツタイヤらしい雰囲気を感じさせてくれる範囲なのもあり、ハイグリップスポーツタイヤのユーザーなら好意的に受け入れる人が多いだろう。
首都高速を含め高速道路を走らせたフィーリングもハイグリップスポーツタイヤらしく、ステアリングセンターの感覚が強まり「ドッシリ」としたのに加え、ステアリングを切ると高いグリップを感じられ安心感が増しており、意外にも普通に走るのも楽になった。
なお、ここまでの印象は雨の高速道路を走っても同様だった。
まとめると、YouTubeのご本人のチャンネルで開発ドライバーの織戸学選手が言っていた「ユーザーがネオバで一番使うストリートを楽しく、気持ちよく」というコンセプト通りの仕上がりだった。それだけに実際にはスポーツタイヤのユーザーで一番多いと思われるそういった方には強く勧めたい。
また、個人的には自分のBRZで水を撒いたクローズドコースでドリフトの練習をしているのもあり、まだ試していないウェットでのコントロール性も非常に楽しみで、なるべく早く確認したいと前向きに気持ちになっている。
(文/自動車ジャーナリスト永田恵一)
■前代未聞!? ネオバを一般道で試しまくると意外な良さが……
スポーツタイヤのトップブランドADVAN NEOVAの最新モデル「AD09」のキャッチコピーは、「ネオバらしさを追求したストリート最強のスポーツタイヤ」とある。スバルのフラッグシップモデルであるWRX STIには、まさに打って付けのタイヤだ。
ただ私の場合、クルマの利用は、日々の移動と週末のドライブがメイン。ストリート最強を謳う「AD09」はオーバースペックに思えた上、高性能化によるロードノイズや乗り心地への影響も懸念していた。しかし、装着後、一般道の走行で驚かされたのは、まさに「タイヤノイズ」と「乗り心地」のふたつだった。
意外にも走行中のタイヤノイズは、純正装着タイヤよりも静か。もちろん、ノイズ自体は生じるが、低音のノイズが中心となり、より抑えられている印象だ。
特に耳障りとなる高音ノイズは、大きく減少した点に驚かされた。また舗装の荒れた路面でも、ノイズを抑える傾向は同様。車内への音の侵入が減ったことは嬉しい誤算となった。
乗り心地に関しては、正直、WRX STIというキャラクター上、元々が硬め。それでもAD09装着で、ゴツゴツした印象は改善方向に変化。
ハンドリングの感触などからタイヤ剛性の高さが感じられたので、路面からの衝撃に対しても相応のものを発するものと予想していたのだが、それは誤りで、受け止めた衝撃をダンパーとの協調により、しっかりと吸収することで、不快な振動が抑えてくれたようだ。
最も分かりやすいのが、段差などの衝撃時で、衝撃が発生した次の瞬間、タイヤが着地すると吸い付くように路面を捉えてくれるので、安心感も高まった。また操舵応答性も向上しているので、曲がりやコーナーもより楽しさが増した。
これらの効果は、NEOVA由来の特徴的なパターンとタイヤ剛性の高さ、柔軟さを持つタイヤトレッドがそれぞれの持ち味を活かすことで生まれる心地よい走りの質感なのだろう。
もちろん、サーキットなどスポーツ走行を徹するときには、その底力を見せつけてくれる。ストリート最強というキャッチの意味には、単に速く走るだけでなく、日常領域での安心と快適さを高められる懐の深さを示すものだと私は理解した。
最後にもうひとつAD09を装着したメリットを紹介したい。それはドレスアップ効果で、エッジの効いたショルダー部はスポーティで、足元を引き締めてくれる。
さらにサイドウォールは、ロゴのパターンが鮮明となり、力強さを増した。同じアルミホイールのままでも、これほど印象が変わるとも思わなかった。AD09は、高性能なだけでなく、ビジュアルも良い。実にクールなタイヤなのだ。
(文/自動車ジャーナリスト大音安弘)
【画像ギャラリー】9年ぶり新作は『ナイン』!! 横浜ゴムからストリートスポーツタイヤ『ADVAN NEOVA AD09』登場!!(24枚)画像ギャラリー投稿 サーキット専用なんて誰が言った!? 一般道も気持ちイイ!! ADVAN NEOVA『AD09』を三者三様インプレッション は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。