今回は「プリプレグ」についてです。
初めに
業界には特有の専門用語があります。
私は一応電気系の仕事をしているので、そちらの基礎知識を本ブログにそれなりにまとめています。
なのですが、用語の意味だけ早く知りたい場合はどこに記述されているか探す必要が出て苦労しそうなので、こうして別途用語をまとめておくことにしました。
少しでも疑問に思った単語は調べてまとめていこうと思いますので、興味があったら他の単語の記事も眺めてみてください。
最低でもちょっと賢くなった気分にはなれるはずですよ?
ちなみに、本記事はタイトル通り”ふんわりとイメージする”、つまり入門向きの内容となっています。
難しい言い回しがあるなら例を挙げるなりして噛み砕いて記載します。
そこまでしないと自分で理解したと言えませんし。
また、形式ばった書き方だと拒否反応が起きる方もいそうなので、言葉遣いもゆるゆるにしています。
詳細なガチガチとした解説をお求めの人は他のサイトを見よう!
『せっかくだから俺はこの緑のブログを選ぶぜ!』という方はこのまま読み進めてくださいな。
プリプレグとは?
プリプレグとは、プリント基板の成形に必要な絶縁性の接着剤のことです。
プリント基板のベースとなる材料に銅張積層板というものがあります。
この銅張積層板は、積層板という硬化した樹脂材料に銅箔が貼り付いた構造になっているのですが、樹脂と銅箔を貼り付けるナニカが必要になります。
それがプリプレグです。
プリプレグは絶縁性の高いガラス繊維で織ったガラスクロスや紙などの基材に熱硬化性を持った樹脂を含浸(がんしん)させて、加熱処理を施すことで半硬化状態になった樹脂材料のことです。
加熱処理前は接着剤のように粘着性を持っているのですが、適切な加熱処理を行うことで常温だと粘着性を持たない半硬化状態にすることが可能です。
半硬化状態にした時以上のある一定ラインを超えた温度で加熱することで完全に硬化した状態にすることも可能なのですが、プリプレグはあえて半硬化状態にしています。
完全硬化した状態では再加熱しても硬化したままなのですが、半硬化状態だと再加熱すると溶融します。
つまり、元の接着剤の状態に戻ることが可能なのです。
この性質を利用してプリント基板の成形用の接着剤として使用しているわけです。
銅張積層板は普通に考えると積層板-プリプレグ-銅箔という順番で積み重ねると思いそうなものですが、実はそうとも限りません。
というのも、積層板ってプリプレグを複数枚重ね合わせて加圧・加熱処理をして完全硬化させた材料を綺麗に仕上げたもののことなんですよ。
なので、プリプレグを複数重ね合わせて外層を銅箔にした状態で加圧・加熱処理を行っても、積層板の表面にプリプレグを敷いて銅箔を貼り付けて加圧・加熱処理をしても、結局出来上がるものは銅張積層板なんです。
もちろん加圧・加熱の条件は微妙に変わりますけどね。
ちなみに、多層構造(パターン層が複数ある構造)のプリント基板を作る場合、銅張積層板と銅張積層板を重ね合わせて構成します。
では、銅張積層板同士を重ね合わせて固定する方法はというと、ここでもプリプレグが登場します。
つまり、プリント基板ってプリプレグだらけなんです。
用語としての簡単な説明は以上です。
関連した記事がありますので、興味があれば以下も併せてご覧ください。
まとめ
プリプレグとは、プリント基板の成形に必要な絶縁性の接着剤のことです。
プリント基板のベース素材である積層板の材料にもなっています。
以上、「プリプレグ」についてでした。