Intel Celeron N3450 は 2017年以降に発売された5万以下の価格帯ノートPCに使われていたCPUです。
2022年3月時点において、Amazonなどの通販サイトで販売されている一部の格安ノートで採用されているほか、中古ノートPC市場においても2万円前後の価格帯で売られているので、たまに目にすることもあるかと思います。
このCeleron N3450搭載ノートPCは果たしてコストパフォーマンスは高いのか、それとも使い物にならない性能なのか、興味のある方は是非ご一読下さい。
Intel Celeron N3450 とは
Celeron N3450 は、2016年の秋に発売された省電力CPUで、Core-i シリーズが第6世代から第7世代に移り変わろうとしている時期に登場しました。
CPUのプロセスルールは第6世代と同じ14nm が採用されていますが、グラフィック機能はCore-iシリーズより性能が抑えられた「INTEL UHD Graphics 500」が採用されています。
Celeron N3450 の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:4 スレッド数:4 |
基本クロック | 1.1GHz ~ 2.2GHz |
グラフィック | 第 11 世代インテル® プロセッサー・ファミリー用インテル® Core™ UHD グラフィックス |
TDP | 17W |
Celeron N3450 は 第4世代のINTEL Core-i3 並み
ベンチマークテストで計測したスコアで比較すると、Celeron N3450 の CPU性能は第4世代のCore-i3 と同等であり、グラフィック性能は 少し劣って第3世代のCore-i3と同等です。
今時のCPUと比べると性能はあまり高くはありませんが、一般的な事務作業であれば問題無く使える性能を持っています。
以下の用途であれば、動作がもたつくこと無く使えるでしょう。
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用程度
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
多少重いと感じることがあるかもしれませんが、下記の用途も利用可能です。
- Zoomによるテレビ会議
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
ただし、PCの性能はCPUの性能よりも、メモリ容量や内蔵ストレージの性能(容量、速度)に大きく左右されます。
このPCを搭載しているノートPCを検討されている方は、その点も十分ご留意ください。
このCPUが搭載されているノートPCの傾向
2022年3月において、Celeron N3450 が搭載されているノートPCは価格COMに掲載されていませんでした。
ただ、Amazonにおいて3~4万円の格安ノートPCの一部で採用されていました。
ただ、Amazonで販売されている3~4万円のノートPCに
補足 項目 | スペック | 補足 |
---|---|---|
画面サイズ | 13.3~15.6インチ | |
解像度 | FullHD(1920×1080) | |
重量 | 1.3kg~2kg | |
メモリ | 4GB~8GB | |
ストレージ | SSD128GB~256GB 但し、一部機種は eMMC 64GB |
|
DVDドライブ | 搭載無し | |
Office | 搭載無し、又は互換Office搭載 | 評価用Microsoft Office が搭載されている場合あり |
OS | Windows10 Home | |
駆動時間 | 4時間~7時間 | |
価格 | 3万円台~4万円台 |
上記のことから、Celeron N3450 は、会社か自宅でワードやエクセルなどの文書作成をメインとするライトユーザー向けの格安ノートPCに採用されていると言えます。
互換性オフィス製品が搭載されていることも多く、低価格ながら利便性が図られています。
Amazonのタイムセールやクーポンを使うと、14インチ~15インチのノートPCが2万円台後半~3万円前半で手に入れられるので、コストパフォーマンスは優れています。
ベンチマークで性能を比較
結論を先に描きましたが、ここからはその理由を簡単に説明しておきます。
下記一覧は、 Celeron N3450 のベンチーマーク性能(CPU:PassMark、GPU:FireStrike) を、Core-i3の世代別性能と比較したものになります。
CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格クロック | 最大クロック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i3 8130U | 3804 | Intel UHD Graphics 620 | 990 | 2 | 4 | 15W | 2.2GHz | 3.4GHz |
Core i3 7100U | 2774 | Intel HD Graphics 620 | 808 | 2 | 4 | 15W | 2.4GHz | – |
Core i3 6100U | 2628 | Intel HD Graphics 520 | 707 | 2 | 4 | 15W | 2.3GHz | – |
Core i3 5010U | 2157 | Intel HD Graphics 5500 | 594 | 2 | 4 | 15W | 2.1GHz | – |
Core i3 4025U | 1930 | Intel HD Graphics 4400 | 492 | 2 | 4 | 15W | 1.9GHz | – |
Celeron N3450 | 1876 | Intel HD Graphics 500 | 271 | 2 | 4 | 17W | 1.1GHz | 2.2GHz |
Core i3 3227U | 1295 | Intel HD Graphics 4000 | 411 | 2 | 4 | 17W | 1.9GHz | – |
Core i3 2350M | 1228 | Intel HD Graphics 3000 | 198 | 2 | 4 | 35W | 2.3GHz | – |
N3450 は2016年に発売された少し古いCPUではありますが、第4世代のCore-i3と同じ性能を持っています。
Excelやワードなどのオフィス製品、ネットサーフィン、YouTubeやNetFlixなどの動画鑑賞などの軽作業であれば、問題なく処理できる性能を持っています。
グラフィック性能は決して高いものではないので、軽い3Dゲームであってもプレイすることは困難でしょう。
まとめ
今回は Celeron N3450 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとに、Core-i3の中でどの世代に匹敵するかについて検証しました。
このCPUはAmazonなどの通販サイトにおいて、3万~4万円の格安ノートPCに採用されています。
Office搭載と明記されていても互換オフィスが付属していることが多いので、その点はご注意ください。
尚、低価格であっても液晶はフルハイビジョンのIPS液晶が搭載され、メモリ8GB、SSD 256GBというしっかりしたスペックの製品も売られています。
購入する時は、その点もチェックしながら選定して頂ければと思います。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。