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Marvin Samuel Tolentino Pineda /iStock

動画配信サービスのネットフリックスが、NFT事業に参入することを示唆したことが話題になっている。ネットフリックスの公式ツイッターアカウントは、22日に「What are your thoughts on NFTs?(NFTについてどう思いますか?)」とツイートした。

暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンの専門メディア「CoinPost」はいち早くこのツイートに反応。「米Netflix、NFT事業立ち上げを計画か」の見出しで報じていた。記事では、「今回のNFTへの言及は、業績の伸び悩みや株価下落の打開策としてNFT関連の事業創出を計画しているとの見方もある」と指摘している。

ネットフリックスが本当にNFT事業に参入するのであれば、大手動画配信サービス会社としては初めてとなるが、実は日本にも動画配信サービス会社としてNFT事業に参入するのではと見られる動きを取る会社がある。サイバーエージェント(東京都渋谷区、藤田晋社長)だ。

映像レーベルを買収

バベルレーベル買収発表のプレスリリースより(サイバーエージェント公式サイト)

サイバーエージェントは今月12日、映像レーベル「バベルレーベル」(東京都新宿区、山田久人社長)を買収したと発表した。バベルレーベルには、「新聞記者」の映画版、ネットフリックス版ともに手掛けた映画監督の藤井道人氏や、テレビドラマ「アバランチ」で監督を務めた山口健人氏らが所属している。買収にあたって、サイバーエージェントは次のようにコメントを発表している。

「世界で通用するハイクオリティな日本発の映像コンテンツを生み出すという共通目標のもと、BABEL LABELのサイバーエージェントグループ参画に至りました。これにより、映画および幅広いプラットフォーム向けのドラマ制作を強化し、映像コンテンツの世界輸出を目指します。」

サイバーエージェントは、グループ内のAbema TVを通してインターネットテレビメディアを運営しているが、映像制作には乗り出していなかった。バベルレーベルの買収により、本格的に映像制作に乗り出し、“日本版ネットフリックス”を目指していくと見られている。

子会社が暗号資産と協業

NFTで協業するCyberZ、コインチェック(プレスリリースより)

さらに、サイバーエージェントは暗号通貨の分野でも他社と連携を深めている。スマートフォン広告マーケティング事業を手掛けるサイバーエージェントの子会社、CyberZ(東京都渋谷区、山内隆裕社長)は昨年6月、暗号資産交換業のコインチェック(東京都渋谷区、蓮尾聡社長)とNFT事業においての協業を発表している。コインチェックは昨年3月に、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」をローンチしている。

協業の発表に際して、CyberZは次のようなコメントを出している。

エンターテインメント業界におけるNFT活用の促進と、新しい体験の創出を実現させていく予定です。今後、タレント・アーティスト・アニメ・ゲームなどエンターテインメント分野の事業者様を支援して参ります

サイバーエージェントと子会社のCyberZの動きを合わせて考えてみると、サイバーエージェントが動画配信サービスを展開し、NFT事業に参入するのではと思えてくるが、どうだろうか。2021年度決算で過去最高の売上高、営業利益を大きく更新し、乗りに乗っているサイバーエージェント。もし、NFT事業に本格的に乗り出すのであれば、日本のNFT界がより一層の盛り上がりを見せることは間違いないだろう。