もっと詳しく

夕餉(ゆうげ) 四 「もう少しお食べになりませぬと……お体に障(さわ)りますぞ」あまり箸(はし)を動かそうとせぬ綾(あや)姫に、隆景は丁重に語りかける。自分が取り仕切ってはいるが、小早川(こばやかわ)家の真の主(あるじ)は綾姫という意識が、隆景には、ある。「前にも申し上げた通り……」ふれれば砕…