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小さなボディに400psエンジンを秘めて NEWアウディRS3スポーツバック/セダン試乗

 2021年11月27日に日本で発表されたアウディの新型RS3にギリシャで先行試乗! EVシフトが進むアウディが、今送り出すエンジン搭載のスポーツモデルの実力は?

※本稿は2021年12月のものです
文/アレクサンダー・オーステルン、キムラ・オフィス、写真/Audi AG
初出:『ベストカー』2022年1月26日号

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■5気筒ターボ&4WDの愉悦

2021年11月27日に日本で発表された新型アウディ RS3。アウディA3をベースにしたトップスポーツバージョンだ

 アウディA3をベースにしたトップスポーツバージョンがRS3。

 3代目となる最新モデルは2.5Lの5気筒ターボエンジンから最高出力400ps、最大トルク51.0kgmを発生。ダイナミック性能は0-100km/hが3.8秒を記録する。

 最高速度は250km/hで一応リミッターが作動するが、オプションで280km/h、さらにRSダイナミックパッケージを注文すると、このクラス最速となる290km/hに達する。

 この性能に合わせたシャシーはハッチバックとセダンともに、A3に対して25mm、S3よりも10mmローダウンされたスポーツシャシー、新設計のディスクブレーキ、さらにオプションではセラミックブレーキも用意される。

 ギリシャの首都アテネで行われた試乗会に現れたニューRS3はハッチバックとセダンの両方だ。

 そのボディは、立体的なハニカムフロントグリル、高性能ブレーキを冷却するために大きく広がったエアインテーク、またチェッカーフラッグがレイアウトされたLEDヘッドライトシステム、33mmワイドなクワトロブリスターフェンダーで構成される。

 さらにリアでは2本の楕円形ビッグエグゾーストパイプ、RS専用デザインのディフューザーなどでハイパーハッチぶりを見せつけている。

 インテリアは標準でRSロゴ入りのスポーツシート(試乗車はオプションのハニカム模様のバックスキン仕様)を採用。

 さらに下部が削られたスポーツステアリングには、12時ポイントにボディカラーに合わせたマーキングが施され、スポーク部分には新たにRSドライブモードスイッチが設けられている。

■文句なしの高速安定性でロングツーリングも快適

下側が平らな形状のスポーツステアリングを装備。黒基調で精悍なインパネデザイン

 まず試乗では、シリンダー1-2-4-5-3と着火する直列5気筒エンジンの独特なビートを伴いながらギリシャの高速道路を巡行したが、法定速度の130km/hでは余裕充分で最高速度の250km/hはもちろん、290km/hも到達可能だと感じた。

 高速でのスタビリティは文句なし。さらにスポーツシャシーにもかかわらず、快適でロングツーリングもまったく問題はない。

 一般道路での走行を終え、これまでのハルデックス4WDシステムに代わって採用されたトルクスプリッターの実証テストが行われた。

 左右のリアアクスルに理想的なトルクを配分するテクノロジーで、まずはプログラムを「RSトルク・リア・モード」に選択。

 40km/h付近でスロットルを踏み込むと、トルクはコーナーでは外側のリアタイヤへ最大で100%伝達され、ドリフト態勢に持ち込むことが可能になる。

 さらにこのシステムはエンジン出力と協調しているので、ドライバーはスロットルワークに専念しているだけで、きれいなドリフト姿勢を維持することができる。

■一般道でもサーキットでも高い成熟度を発揮!

楕円型のマフラーやディフューザーなどを採用する迫力あるRS3のリアスタイル。右に立つのが試乗したオーステルン氏

 続くクローズドサーキットでのテストではオプションで用意されているセミスリックタイヤのピレリPゼロ「トロフェオR」を装着しての高速スポーツ走行が行われた。

 サーキット用にプログラムされた「RSパフォーマンス」モードにセットしてのスポーツ走行はかなりのハイペースで周回することが可能だった。

 またフロント0.5度のネガティブキャンバーを与えられた専用スポーツシャシーによって、各コーナーをニュートラルステアでクイックにクリアすることもできた。

 おそらく内燃機関搭載スポーツモデルの最終型になるだろうニューRS3。

 その日本での価格はスポーツバックが799万円(50台限定車は907万円)、セダンが818万円と決して安くはないが、内燃機関、それも5気筒ターボエンジンを搭載した稀有なハイパーハッチ、ハイパーセダンとしての価値は充分にあると思う。

 発売はドイツで2021年10月末から。日本では2022年4月下旬からの発売となる。

新型RS3スポーツバック 主要諸元

【番外コラム】初代RS3は2011年デビュー!

初代RS3(2011年登場)

 アウディA3のハイパフォーマンスモデルであるRS3は、2代目A3をベースに5気筒ターボ340psのハイパーハッチとして2011年に登場。

 しかし、初代RS3はわずか1年で生産を終了し、3年後の2015年に2世代目が再登場。この時からセダンが加わっている。

 さらに2017年のフェイスリフトでエンジン出力を367ps/47.2kgmから400ps/49.0kgmにアップしている。

2代目RS3(2015年登場)
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