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Steve Sabia/NASA Goddard

打ち上げから1か月を経て、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)がラグランジュ点L2に到着しました。この地球から約150万km離れた軌道で宇宙望遠鏡はこれから約3か月かけて光学系の調整など観測の準備を行います。

L2軌道は太陽からの光が地球の影によって遮られるため、機体を超低温に保つことができます。そのため赤外線機器への熱干渉が発生しにくく、観測に最適な環境が得られます。

観測の邪魔になる要素が少なくなれば、非常に遠い宇宙の観測にノイズが入り込みにくく、地球周回軌道から観測していたハッブル宇宙望遠鏡では得られなかった高精度な観測データの取得が期待されます。JWSTは大きなサンシールドも備えており、機体はマイナス230℃という低温で観測を行うことになります。

計画の変更やトラブルの数々に悩まされ、さらには新型コロナによって開発が幾度となく延期されてきたJWSTですが、打ち上げ以降はこれまでのところ目立ったトラブルもなく、順調に観測に向けた準備が進められているのは喜ばしいことと言えるでしょう。

ハッブル宇宙望遠鏡はそろそろ機器としての寿命が近づいているため、その後継的な立場としてのJWSTには期待が高まっています。

(Source:NASAEngadget日本版より転載)