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1986年11月のある日の夕方、県立病院の産婦人科に駆けつけた。ナースセンターには人はいず、心臓の拍動だけが響いていた。不意にその音が途切れ、しばらくすると、女医さんが緊迫した表情で姿を見せた。早期胎盤剥離で破水し、仮死出産だったが、子供は無事だった。そら豆型に曲がった膿盆(のうぼん)…