今回は、「基準点による電位の変化」についての説明です。
基準点による電位の変化
図1のような回路があったとします。
なんか変なところにGNDが繋がっていますよね。
この場合、2kΩ抵抗と3kΩ抵抗の両端の電位がどうなるかわかりますか?
おそらくよくわからなくなる人が多いのではないでしょうか?
この場合、注意するべき点はただ一点です。
あくまでGNDが0[V]です。
電源のマイナス側は0Vとは限らないのです。
では、実際にどうなるのか解説していきますね。
まず、GNDが変なところに繋がっていない場合の2kΩ抵抗と3kΩ抵抗の両端の電位差(各抵抗での電圧降下)を求めましょう。
オームの法則から、回路全体に流れる電流は10[V]÷5[kΩ]=2[mA]です。
なので、2kΩ抵抗は2[kΩ]×2[mA]=4[V]、3kΩ抵抗は3[kΩ]×2[mA]=6[V]。
これが2kΩ抵抗と3kΩ抵抗の両端の電位差です。
このタイミングでGND(基準点:0[V])について考えます。
あくまでこのGNDが0[V]です。
なので、2kΩと3kΩの中間地点は0[V]になります。
2kΩ抵抗と3kΩ抵抗の中間が0[V]で、2kΩ抵抗の両端の電位差が4[V]、3kΩ抵抗の両端の電位差が6[V]です。
その為、この回路の電位の関係を整理すると図2のようになります。
見慣れていないと違和感がすごいと思いますが、考え方はこれで合ってます。
どこが0[V]なのかしっかり考えましょうね。
以上、「基準点による電位の変化」についての説明でした。
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