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「右も左も見ゆる限りは雪又(また)雪。……まだ見ぬ露西亜(ろしあ)の曠野(こうや)を偲(しの)ばしめる」。石川啄木(いしかわたくぼく)は冬の石狩平野を走る汽車の車窓から見た景色を随筆「雪中行」(1908年)に書いた。「川もないのに鉄橋とは」と窓を開けると、雪に覆われた石狩川だった▲啄…