2021年8月、マイナーチェンジを受けたレクサス ES300hが登場した。外観はフロントグリルとヘッドライトを『お化粧なおし』され、上品な中にも華やかさをプラス。中身はサスペンション周りを強化して快適性も向上している。
より『レクサスらしく』なったES300hを飯田裕子氏が試乗しレポートする。
●主なマイナーチェンジPOINT
・リアサスペンション周りの剛性アップ
・フロントグリル、ヘッドライトの意匠変更
・Fスポーツは専用チューンのサスを採用
・先進予防安全装備の性能アップ
※本稿は2021年12月のものです
文/飯田裕子、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年1月26日号
■マイチェンで快適性大幅アップ!
サイドウィンドウを閉めた瞬間から静寂さが感じられたESに『レクサスらしさ』を抱いたのはフラッグシップモデルのLSと遜色がなかったことにある。
低速から滑らかに走り出し、路面の突起も丸く収める乗り心地で、雑味(ゴツンとかコツコツが生む音や振動)が限りなく抑えられている。
そのあたりの洗練度が『レクサスらしさ』に磨きをかけたのが改良新型の特徴のひとつと言えそうだ。
ドッシリとした質感の乗り味や、2.5L直4エンジン+モーターの確かな速度調整のしやすさが、マナーのいい上質なセダンらしい。
その一方で、アクセルペダルの強弱を調整しながらコーナリングすれば、スポーティな躍動をESのハンドリング性能とともに感じることができた。
ハイブリッド車であるESは、高回転を維持して走行するような状況下でのエンジンの存在(音や振動)がまったく気にならないかといえばウソになる。
ただし、それは静かで快適になるほど『もっともっと』という欲が出るもの、というレベルだ。
試乗モデルのFスポーツには専用チューニングが施されたサスペンションが装着され、細かな減衰力の制御を行うソレノイド式AVSを採用。
ドライビング好きにとってはFFモデルのハンドリングの面白さを、そのコントロール性とともに味わい楽しむことができるだろう。FFホットハッチ全盛の時代を通過した世代には、最高かつ最上級の落としどころモデルとも言えそう。
ESは、LSではサイズを含めオーバーホスピタリティ感を抱く人にとって十二分な快適さと扱いやすさ、そして最新の運転支援技術などの安全性を与えてくれる。
シートのサポート性や快適性は最上級。室内装備の使いやすさと上質さの洗練ぶりもレクサス流のホスピタリティが感じられる。
改良新型ESは日本の環境において、実質的なフラッグシップと言っても過言ではない存在といえる。
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