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現役ディーラーが指南! 後悔&損をしないためのツボを押さえたオンライン商談実践術

 近年、新型コロナウイルスの影響によりさまざまなビジネスシーンにおいて浸透してきたオンライン商談。自動車企業でも積極的に取り入れられている。ただし、便利なゆえに安易に飛びつくと痛い目に遭うことも……。今回は、オンライン商談で後悔しないためのポイントを現役ディーラーがアドバイスする。

文/関谷明日香、写真/写真AC、イラストAC

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コロナ禍で急拡大! オンライン商談とは?

 オンライン商談とは、その名の通りオンラインでクルマの商談をするシステムだ。今まではディーラーに出向き、その場で営業マンと対面で話をして商談を進めることが常識だったが、新型コロナ禍が深刻化して以来、その状況は一変。クルマ業界でも積極的にオンライン商談を推し進める動きが見られるようになってきた。

 とはいえ、高額商品であるクルマを直接営業マンと会わずに購入するというのはユーザー側としてはちょっと不安だ……。近い将来はクルマ購入方法のスタンダードになる可能性もあるオンライン商談。ここで、メリットとデメリットをしっかり理解しておくことが後悔や損をしないために重要と言える。

対面ではないからこそのメリット

まずはここからはオンライン商談のメリットを見ていこう。

・遠方のディーラーとも商談ができる
 自分の興味のあるクルマのディーラーが近くにあるとは限らない。そういった場合、今までは遠方でもわざわざ足を運んで店舗に行かなくてはならない。それが面倒で別のメーカーのクルマを選んでいたという人は多いのではないだろうか? 

 ところが、オンライン商談はどこからでもディーラーとやり取りができるので、そういったことがいっさいなくなる。営業マンにとっても、遠方に住んでいる顧客との商談が可能になることは売り上げ増につながる。オンライン商談は双方にとって大きなメリットがあるのだ。

 とはいえ、さすがに何百kmも離れたディーラーからクルマを購入するというのは、アフターサービスなどを考えると現実的ではないだろう。いずれにせよ、自宅から遠い場所にあるディーラーと商談をする場合、購入後のアフターサービスに関しては購入前にしっかり確認しておくことが必要だ。

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いくらオンライン商談OKであっても、購入したディーラーで定期点検や修理などを受けたいと思っている場合は、遠方のディーラーでは購入しないことが得策

・敷居の高そうなディーラーの営業マンともリラックスした環境で話せる
 敷居が高そうでなかなかディーラーに入店できない、勇気を出して足を踏み入れたら、少しカジュアルな恰好で行ったところ、非常に邪見な態度をとられた……。そんな人は意外と多いのではないだろうか? 

 しかし、オンライン商談なら、身なりなどで判断されることもないので、リラックスして商談できるというメリットがある。これはユーザーにとっては実はかなり大きなメリットだ!

・完全非接触なので感染リスクゼロで商談ができる
 このご時世、営業マンと顔をつき合わせて長時間に渡り会話をすることに抵抗を感じてしまう人は多いだろう。その点、オンライン商談は対面式ではないので安心だ。

・落ち着いて検討できる
 実際に欲しいクルマを目の前にしてしまうと、気分が盛り上がり、勢いで購入を決めてしまうこともある。また、営業マンと長々と商談をした挙句、ちょっと検討させてとは言いづらい雰囲気が漂うことも……。

 その反面、オンライン商談では契約をする前に一度落ち着いて検討したいので改めて連絡させてほしいと言いやすい。また、後日メールでのやり取りなどで聞き忘れたことを追加で聞くこともできるというメリットもある。慎重派にはお薦めだ。

対面でないことのデメリット

 メリットよりもデメリットを知っておくことが、オンライン商談で後悔&損をしないためにはより重要となる。ここからはデメリットを解説していこう。

・営業マンの信頼度、人間性がわかりづらい
 前項のリラックスした環境で話せるメリットはある反面、営業マンがどこまで信頼できそうな人かが肌感覚でわからないというのは少し不安だ。直接会っていれば、身なりで態度を変えるような営業マンだとわかって購入しないのに、オンラインだとそういった人間性が判断できないので、購入後に親身になって対応してくれるかなどが心配になってしまうのも事実だろう。

 そのため、オンライン商談でも営業マンとは商談の途中に、雑談を交えるようにして人間性が少しでもわかるような会話をすることをお薦めする。

 雑談になるとすぐに話題を変えて、とにかく売りたいクルマの話にもっていこうとする営業マンはイマイチ信用がならない。購入後の付き合いを考えて、オンライン商談だから手短にではなく、逆に、オンライン商談だからこそ雑談を多めにしたほうがいいのだ。

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営業マンの身振り手振りが見えない人間性を推し量ることは難しいというのは事実。また、初見の人との会話が苦手という人はオンライン商談より直接の商談のほうがお薦めだ

・実車を見ることができない、試乗ができない
 オンライン商談では映像のみでもある程度の車の雰囲気を確認することはできるが、実際に、座り心地や細部のデザインなど細かなチェックはできない。

 特にボディカラーや内装色などは肉眼で見るのと、カメラを通して見るのでは見え方が違ってしまうことも……。事前にカタログを入手していたとしても、肉眼で見る色合いはけっこう異なることが多いのは難点。

 また、乗り心地や走りの感覚は試乗しなくては絶対にわからない。実車を見て、触って感じることができる高揚感を味わうのは難しいのだ。

 ただし、こればかりはオンライン商談では如何ともし難い。ここは目をつぶるしかない……。

・ITツールが苦手な人は難あり
 オンライン商談はネットワーク環境が整っていることが大前提。環境が整っていなければ、商談中に通信が切れてしまったりすることも。また、指定された専用ツールを事前にインストールして設定を行っておく必要があるのもITツールの扱いが苦手な人には厄介だ。このように、ITツールの扱いが苦手という人にはオンライン商談は少々ハードルが高いというのが現状だ。

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使用するPCにもカメラが必須となる。カメラが内蔵されていない場合、別売りのWEBカメラなどを用意する必要がある

お問合せフォームは丁寧に記載しよう

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お問い合わせフォームを記載する時には知りたい情報を詳しく記載しよう。記載欄がない、メールアドレスがわからない場合は、電話をして連絡先を聞くのもOKだ

 オンライン商談の場合は、事前に営業マンに聞きたいこと、知りたいこと、こちらが求めていることなどを伝えておくことができる。

 WEBのお問合せフォームは希望車種、オンライン商談の希望日時などを記載するだけの簡易的なものが多いが、別途、メールで事前に知りたいことなどを細かく伝えることは可能。

 フォームに要望、知りたいことなどを記載する欄が設けられているようなら、遠慮なく知りたいことをできるだけ細かく記載するようにしよう。

 少し面倒ではあるが、要望や知りたいことを事前に知らせておけば、営業マンも下調べをする準備期間を設けられるので、突然来店していろいろ質問するよりも適切な回答が得られるはずた。

 営業マンの側も商談を始める前に、価格なのか、走行性能なのかなど、どのような点を重視しているのかを事前に把握できるため、より顧客のニーズに合わせた提案をしやすくなる。

オンライン商談は、迷いがある人には不向き

 既出のようにオンライン商談には、即決せず時間をおいて考えられるというメリットはある。しかし、何車種も候補がある段階では、実車を見ないままオンライン商談だけで最終決断は下せないという人が多い。

 こういったことから、オンライン商談は「このクルマが欲しい!」と迷いがない状態の人が活用するのが賢明と言える。

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