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長距離をBEVのVW IDで走る。コペンハーゲンからハンブルクへのBuzz。新しいVW IDで500キロメートル。コペンハーゲンからハンブルクまで、電動バスのプロトタイプを我々が走行テスト&レポート。

これはもう私の知る今までのVWではない!誤解のないように。バス(VWブリ カリフォルニア)のオーナーとしての私は、今、新しいバスに座っている。VWの新型電動バス「ID.Buzz」で、コペンハーゲンからハンブルグまで500kmの旅。乗ってすぐに備わったナビゲーションシステムとはすぐに打ち解け、呼べばお尻や足をもシートヒーターなどが温めてくれる。あっという間に目的地を見つけ、そこまでの充電の方法や待ち時間まで提示してくれたときには、「これはもう私のVWじゃない!」と、一瞬ひるんでしまった。

美しさよりも衝突安全性を優先

4.70mの「ID.Buzz」について簡単に説明すれば、このバージョンは、現行の「VW T7」よりも27cm短く、1.94mと4cm高く、幅はちょうど同じとなっている。フロントアクスルに近いシート、フロントガラスの真正面に迫る道路など、想像通り「T1」の孫のようなスタディモデルであった。それが今は、ハンドルとフロントガラスの間に空間があり、ダッシュボードの上で昼寝ができるほど、低い位置にある。では、VWはスタディモデルを悪化させたのだろうか? まあその辺は、単純に衝突安全性がかなり向上のための変更だろう。

フロントのオーバーハングが長い: The ID.Buzzは、現行のT7よりクラッシャブル(衝突緩衝)ゾーンがより大きくなっている。

我々のドライブするプロトタイプのコックピットはまだ布製のフードで隠されている。それは、2022年3月9日の午後7時(現地時間)の全世界公開を控えているため、今、見ることは許されないのだ。「ID.3」、「ID.4」、「ID.5」とは異なり、ギアセレクターはデジタルスピードメーターの右側にドッキングされておらず、メルセデスのように右側のステアリングコラムレバーに配置されている。フロントガラスワイパーは、左側のウインカーレバーにある回転式ホイールで操作することができ、近い将来、新型VWはすべてこれで解決するのではないかという予感がぬぐえない。

メイ編集記者の仕事: IDを音声で操作すること。ステアリングコラムレバーでギアセレクトすること。布をめくることは許されていない。

ID.Buzzは言葉に従う

携帯電話の充電はステアリングコラムの右側にあるコンパートメントで行い、12インチのタッチモニターの下にはナビゲーションやクライメートコントロールなどのための4つのショートカットキーがあり、あまりにも素晴らしいので、思わず「メルセデスからパクってきたのか」と自問してしまった。これは、完璧なボイスコントロールの説明にもなるのではないだろうか。いずれにせよ、3.1バージョンの新しい「MIB(Modular Infotainment Building Kit)」システムは、「ID.3」の1.0バージョンが、「ゴルフI」のシステム並みに古く感じるほど速く、賢い。

77kWhのバッテリーで450kmの走行が可能

だから、コペンハーゲンの広い通りを黙々と転がり、サイクリストの前を通り過ぎるのだ。また、街道に出て小回りを利かせたいとき、次の驚きは、11mのターニングサークルのおかげで、一発でできることだ。試乗車は後軸に204馬力電動モーターを搭載しているため、かつての「ビートル」と同じ後輪駆動だ。「MEB(Modular Electric Building Kit)」モデルのフロアには77kWhのバッテリーが搭載され、400~450kmの航続距離を実現するとされている。しかし実際には20%、いやこの寒さではさらに多く、差し引かれるだろう。

ID.Buzzは77kWhのバッテリーで400~450kmを走破するとされている。しかし、実際には、もっと少ないはずだ。
リフューエル: 最初のテストでは、ID.Buzzは最大170kWで充電した。バッテリーは常に30分で80%充電できる。

電気自動車は充電が速い

我々のクルマにはアジャスタブルシャーシがないが、エレクトリックバンはとてもよく調整されているので、問題はない。アスファルトの上を優しく浮き、ステアリングは完璧なフィードバックを提供し、全体として、2トンをはるかに超える重量の4.70mの塊に座っているという感覚はなく、すべてが一回り小さく、はるかに扱いやすく、機敏に感じられる。

最初の充電ステーションでは、走行距離250km、残量17%。29分後には80%まで充電し、一回目は156kWで、2回目の充電では170kWでも充電できた。800ボルトの技術が搭載されていない車としては、かなり速い方だ。VWの約束: 30分以内で常に5%から80%へ回復した。

「ID.Buzz」 が街中に登場するのは2022年末の予定だ。価格は55,000ユーロ(約726万円)程度になる見込みだ。

2022年末に登場する市販バージョン

「VW ID.Buzz」は、2022年末に最初の量産車が登場する予定だ。価格は55,000ユーロ(約726万円)からと想定されている。むろん、この金額から環境助成金が差し引かれる。

「ID.Buzz」は、双方向充電により、まず屋根から太陽エネルギーを吸収し、その後5日間、最大50kWhの電力を家に供給することも可能となっている。助手席のドアに1つ、ミラーハウジングに2つ、コックピットに2つ、リアに2つの7つのUSB-Cポートが備わっている。

そうそう、信号待ちの際に隣に立っていたクラフターのスウェーデン人職人3人も首をかしげながら親指を立てていた。みんなに、「このバンには後ろに窓がないタイプもあるんだよ。カーゴって言うんだ、ボスに教えてあげなよ」って教えてあげたかった。そして、運転させてあげられなかったのが残念だ。そうすれば、全員が、「これはもう私の知っているVWではない!」と、スウェーデン人の職人たちも叫んだはずだ。

ドライビングレポート: VW ID.Buzz

新しいVW IDで500kmの旅。ID.Buzz! 我々はコペンハーゲンからハンブルクまで電気自動車「ブリ(Bulli)」のプロトタイプを走らせた。
IDのプロトタイプだ。ID.Buzzはまだトップシークレットだ。夜はパジャマで眠り、昼は鮮やかなカラーリングを施している。
このフロントを見て。LEDを目に、VWロゴを丸い鼻に見立てて、ニヤリと笑う口。
連続した光の帯、急傾斜の背面。IDのことだ。ID.Buzzは、2022年末からサイドウインドウ付きと無しの2種類が用意される予定だ。
メルセデスと同様、右側のステアリングコラムレバーでギアを操作する。
後ろに座ってみる。ID.Buzzにはタクシー仕様もある!シートの背もたれは調整可能で、ベンチは2つに分かれており、縦に移動することもできるようになっている。
センターコンソールの引き出しにはレリーフで世界地図が描かれている。ID.Buzzが世界でヒットするかどうか、賭けてみませんか?
サイドストレージにUSB-Cポートを搭載。全部で7つ備わっている。
バスとバスの出会い。迷彩柄のID.Buzzでコペンハーゲンを転戦する。コペンハーゲンを駆け抜ける – ほとんど無音で、タイヤの音だけが聞こえる。
サプライズ: 11mというスリムな回転半径を持つVW ID.街での良き伴走者だ。
コペンハーゲンからハンブルグまでの陸路: 500km、2回の充電で達成。
イオニティの充電ステーションで充電ストップ。ID.Buzzはもうすぐ、地図やアプリがなくても、プラグが勝手に車を認識して、そこで給油できるようになる。
ID.Buzzは30分以内に5%から80%を回復する。
コックピットはカモフラージュされていたが、それでもエレクトリックバンでのドライビング体験は素晴らしいものだった。
試乗車は後軸に204馬力を搭載していて、かつての「ビートル」と同じ後輪駆動だ。
ID.Buzzは、電気自動車としてのチューニングがうまくいっているので、アスファルトの上を優しく浮遊し、ステアリングは完璧なフィードバックを提供する。全体として、2トンを超える重量の4.70mの塊に座っているという感覚はなく、すべてが一回り小さく、扱いやすく、機敏に感じられる。
ハンブルグに到着。そして、ハンザ同盟都市のランドマークを前にして、我々は自問する。ID.Buzzは高い? それともその価値に見合った金額か? 価格は55,000ユーロ(約726万円)程度と想定されている。もちろんそこから助成金が差し引かれる。

【ABJのコメント】
前回もレポートしたが、いよいよ、出る出るといわれていた「ID.Buzz」の登場まで本当にカウントダウンとなった。今回の写真もカバーには覆われてはいるものの、だいたいの姿は想像できる。内装はインスツルメンツパネルとシートともにシンプルで、ものすごく特徴のあるものでもなく、ほかの「ID」シリーズと同じようなデザインのものであった。際立ってお洒落とか、かわいいというものではないがフォルクスワーゲンというものはこういう質実剛健・実用本位のものでもあるし、ほかにも別なグレードも存在しているのかもしれない。それに、わざわざお洒落とか、あざとく可愛い部分をねらうデザインよりも、個人的には好感がもてる。

あとは外装がどんな感じなのか、このレインボーカモフラージュモデルではよくわからないし、実車を見ないと本当の魅力はわからないものである。ひょっとすると昔のカラーを連想させるようなツートンカラーもあるのだろうか??

いよいよ登場するフォルクスワーゲンのBEVバン、価格が高い(上記の想定価格が正しければ日本では800万円くらいになりそう)のは気になるが、ちょっと楽しみな春のニューモデルである。

Text: Andreas May
加筆: 大林晃平
Photo: Volkswagen AG