国立国際医療研究センター(NCGM)は、今月10日に日本で特例承認を受けたファイザーの新型コロナウイルス感染症経口薬「パキロビッドパック」の併用禁忌薬リストを公表した。パキロビッドパックの添付文書に加え、同センターで国内外の資料を収集・分析。投与や併用を検討する際の参考資料として整理し、同センターホームページで公開している。
パキロビッドパックは、新型コロナウイルスの増殖を抑える3CLプロテアーゼ阻害剤「ニルマトレルビル」と同剤の血中濃度を維持するための抗ウイルス剤「リトナビル」を同時に服用する治療薬。リトナビルは、併用する薬剤によってはその濃度を上昇させ、重大な副作用が生じる可能性があるため、一緒に使えない薬が存在する。
そこで、同センター病院薬剤部などはパキロビッドパックの添付文書のほか、国内外の資料をベースに「併用に慎重になるべき薬剤リスト」としてまとめた。一般名の五十音順に並べて、商品名、薬効分類、相互作用も記載した。添付文書にある薬剤以外については、必ずしも使用を妨げるものではないとしつつも、適切でないと考えられる場合は、代替療法や他の薬剤を検討してほしいと呼びかけている。