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昨年十一月、瀬戸内寂聴が亡くなった。一九二二年生まれで五〇年代にデビューし、女性作家たちが女流と呼ばれた時代から八〇年代以降の女性作家たちが大きく活躍する時代を知り、生きた文学史と言っていい存在だった。その生々しい記録であり、私小説でもある『いのち』(二〇一七年)は、長く読みつづ…