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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ」についての説明です。

抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ

導線側に全電流が流れる。

抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ

私が昔授業で使っていたような教科書には、以下のような演習問題が載っていました。

図1

抵抗と並列になるように導線が繋いである箇所がありますよね?
こんな接続の場合、電流の流れはどうなるでしょうか?

よく考えれば普通に理解はできるのですが、少なくとも私が使った教科書にはしっかりとした考え方・解説は載っていなかったので、最初は混乱した記憶があります。
教科書ってある程度学習している人なら考えればわかることは『わかって当たり前』みたいなスタンスで解説してくれないことが多々ありますからね。
初心者はわからなかったりするんだからしっかり解説しようよ。

では、図1を例に考えていきますね。

電流は電子の流れ、抵抗は電流の流れにくさを表しています。

では、導線って抵抗は何Ωだと思いますか?
答えは、ほぼ0Ωです。

ということは、「抵抗と並列に導線を繋ぐ=抵抗と並列に0Ω抵抗を接続する」と同義になります
だから導線側にほぼ全電流が流れます。

例えば、目の前にちょっと渋滞している道と全く混んでいない道があったとしたら、あなたはどちらの道を通りますか?
混んでいない道を通るでしょう?

この考えが電気回路にも適用できて、電流の流れを妨げようとしている渋滞した道(抵抗側)と電流の流れを一切妨げる気が無い空いた道(導線側)が目の前にあったら、電子はみんな導線側を通るんですよ
これだけの話なんですね。

単純な話ではあるのですが、電気を学び始めだと結構引っかかる箇所だと思うんですよね。
だからこうしてまとめてみました。

以上、抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れについての説明でした。


【基礎から学ぶ直流回路】

◎電気回路の基礎 ~そもそも電気回路とは?
◎同じ[V]という単位に対して量記号が”E”と”V”に分かれている理由
◎回路図の描き方 ~初心者は知っておきたい基本的なルール
◎抵抗の基礎 ~種類やカラーコードの見方
◎直列接続の考え方

◎並列接続の考え方

◎抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ
◎基準点による電位の変化
◎導体の電気抵抗 ~抵抗率と導電率の関係
◎キルヒホッフの法則
◎重ね合わせの理
◎テブナンの定理

◎ノートンの定理
◎テブナンの定理とノートンの定理の関係
◎ミルマンの定理
◎ブリッジ回路と平衡条件

◎ホイートストンブリッジ回路とメートルブリッジ回路
◎ブリッジ回路のΔ-Y変換
◎電圧源と電流源 ~等価電源と理想電源の違い

◎電圧源と電流源を含む回路の考え方
◎電圧源と電流源の接続方法の注意点
◎起電力と内部抵抗が等しい電圧源を複数並列に繋いだ場合の考え方
◎電力とジュールの法則
◎チップ抵抗器の定格電力と外形寸法表記
◎最大電力 ~最小定理の考え方
◎複数の電源から供給される電力の割合