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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「R-LC並列回路のポイント」についての説明です。

R-L-C並列回路のポイント

抵抗R、誘導性リアクタンスXL、容量性リアクタンスXCの各々に流れる電流で直角三角形を作ると、斜辺が合成電流になる。

抵抗R、誘導性リアクタンスXL、容量性リアクタンスXCが並列接続されている場合、この3要素の各々に流れる電流で直角三角形を作ると斜辺が合成電流になります
実際にどう考えるのか、R-L並列回路R-C並列回路R-L-C並列回路の3パターンを用いて説明していきます。

R-L並列回路

抵抗Rと誘導性リアクタンスXLを並列接続した場合、図1のような電流の直角三角形が描けます。

図1

抵抗Rに流れる電流IRを基準とした時、誘導性リアクタンスXLに流れる電流IL下向きに描きます

合成電流Iの大きさと、IとIRのなす角θは以下のように表せます。

電流Iは電圧Vより角度θだけ位相が遅れます

R-C並列回路

抵抗Rと容量性リアクタンスXCを並列接続した場合、図2のような電流の直角三角形が描けます。

図2

抵抗Rに流れる電流IRを基準とした時、容量性リアクタンスXCに流れる電流IC上向きに描きます

合成電流Iの大きさと、IとIRのなす角θは以下のように表せます。

電流Iは電圧Vより角度θだけ位相が進みます

R-L-C並列回路

抵抗R、誘導性リアクタンスXL、容量性リアクタンスXCを並列接続した場合、図3のような電流の直角三角形が描けます。
※ IL<ICの場合を例としています。

図3

抵抗Rに流れる電流IRを基準とした時、誘導性リアクタンスXLに流れる電流IL下向き、容量性リアクタンスXCに流れる電流IC上向きに描き、両方の成分が存在する場合は互いに打ち消し合います

合成電流Iの大きさと、IとIRのなす角θは以下のように表せます。

IL>ICの時は電流Iは電圧Vより角度θだけ位相が遅れ、IL<ICの時は電流Iは電圧Vより角度θだけ位相が進みます

以上、「R-L-C並列回路のポイント」についての説明でした。


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