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Bosch(ボッシュ)は、現在進行中のチップ不足に対応するため、以前から表明していた半導体生産への投資を拡大する。同社は2021年、2022年に4億7300万ドル(約545億円)を投資すると発表したが、さらに2億9600万ドル(約340億円)を新たな製造設備に投資する。

2021年の資本のほとんどは、ドレスデンにある同社の新しい300ミリウェハー製造施設に充てられ、12月に生産を開始したシュトゥットガルト近郊のロイトリンゲンには約5700万ドル(約65億円)が振り向けられた。今回の新たな資金はほぼロイトリンゲンに充てられ、2025年までに新しい生産スペースと計4万4000平方メートルの近代的なクリーンルームを建設する予定だ。この動きは、自動車市場と家電市場の両方で半導体とMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)センサーの需要が拡大していることに対応するものだ。

Boschの取締役会メンバーでMobility Solutions事業部門会長のMarkus Heyn(マルクス・ハイン)氏は「Boschはすでに自動車用チップのトップメーカーです。そして、この地位をさらに強固なものにしていくつもりです」と述べた。

(クリーンルームは、空気中に浮遊する粒子、温度、照明、騒音、気圧などの環境要因を厳密に制御できるよう特別に建設される密閉された場所だ。Boschの半導体は、他の多くの半導体と同様、炭化ケイ素でできているため、製造プロセスには絶対的な清澄性が求められる。シリコンは砂の中に含まれており、製造に使用する前に精製する必要がある。この工程は非常に精密で、ほんのわずかな塵でもまずいタイミングでチップに付着すると、完全にダメになってしまう)

Boschの取締役会会長Stefan Hartung(シュテファン・ハートゥング)博士は「当社はロイトリンゲンにおける半導体の製造能力を計画的に拡大しています」と声明で述べた。「新たな投資は、当社の競争力を強化するだけでなく、顧客にも利益をもたらし、半導体のサプライチェーンにおける危機を克服する一助となるでしょう」。

ロイトリンゲンのウエハー工場では、6インチと8インチのウエハーを生産する予定だ。6インチウエハーは現在、8インチや12インチほど使われていないが、このプロセスにより、LEDやセンサーなどの半導体製品の生産コストを削減することができる。2019年から特に8インチのウエハーが不足しており、これらは主にセンサーやMCU、無線通信チップといったものに使われている。ロイトリンゲンの拡張は、自動車や消費者部門でのMEMs(微小電子機械システム)や、炭化ケイ素のパワー半導体の需要増に応えるものだとBoschは話す。

同社のドレスデン工場では、CPU、ロジックIC、メモリーなどの高性能製品の製造に使用される12インチシリコンチップをより多く生産する予定だ。

「コネクティビティと組み合わせたAI手法により、製造における継続的なデータ駆動型の改善を実現し、それによってより良いチップを生産しています」とハイン氏は述べた。「これには、欠陥の自動分類を可能にするソフトウェアの開発が含まれます。また、BoschはAIを利用してマテリアルフローを強化しています。高度な自動化により、ロイトリンゲンのこの最先端の製造環境は、工場の未来とそこで働く人々の雇用を守ることになるでしょう」。

Boschはまた、既存の電力供給施設を拡張し、追加のメディア供給システム用の建物を建設する計画だ。新しい生産エリアは2025年の操業開始が見込まれている。

画像クレジット:Robert Bosch GmbH

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi