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出久根達郎さんの近著『花のなごり』日本人が気温を測り始めた時代は、明治の文明開化以降を想像してしまう。だが、江戸時代の末期には奉行所の役人がカ氏目盛りの温度計を見詰め、数値情報で暑さと寒さを確認していたのだ。例えば、弘化三(1846)年では「六月九日 晴 九十二度にいたる。堪(たえ)か…