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 日本製薬工業協会(製薬協)は18日、「ライフサイエンス知財フォーラム」をオンライン開催し、新型コロナウイルスに対するワクチン開発で浮かび上がった特許の課題などを議論した。

 製薬協の手代木功副会長(塩野義製薬社長)は「短期間でワクチンが開発され、品質・有効性が担保されたワクチンを迅速に提供できたのは、知財をベースとしたアライアンスが進んだことが大きい」と述べ、知的財産権や特許権が医薬品アクセス阻害の要因にはなっていないとした。

 そのうえで「むしろ生産能力や供給システム、公平な分配、根強く残るワクチン忌避問題など、知財以外の課題が影響する可能性が大きい」と指摘した。

 新型コロナワクチンでは次世代医療技術のメッセンジャーRNA(mRNA)が初めて実用化され、今後、がんワクチンなど幅広く応用が進む見通し。

 東京医科歯科大学の位高啓史教授は生体内にもともと存在するmRNAを「物質特許で囲い込むのは難しい」と指摘。mRNAの投与でどのようなたんぱく質を作らせ何を治すのかという「『情報』をいかにして特許化するかが創薬の重要なポイントになる」と強調した。

 また、経済安全保障の観点から「量産する技術を確立することも重要」と述べた。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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