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米国時間1月20日、データエンジニアリングのローコードプラットフォームであるProphecy.ioが、Insight PartnersがリードするシリーズAのラウンドで2500万ドル(約28億4000万円)を調達したと発表した。既存投資家であるSignalFireとBerkeley Skydeck、および新たな投資家Dig Venturesもこのラウンドに参加し、同社の総調達額は3100万ドル(約35億3000万円)になった。

Prophecyのユーザーエクスペリエンスの核は、データエンジニアやアナリストがワークフローを構築するためのビジュアルインターフェースとコードエディターをシームレスに切り替えることができるローコード環境だ。このインターフェースによって、Apache Sparkのコードをすばやく作成し、そのコードをAirflowサービスを通じて容易に実行することできる。

このコードとビジュアルインターフェースを切り替えていく方法で、一方が行った変更がすぐにもう一方に反映するようになり、また必要に応じてビジュアルインターフェースをカスタムの要素で拡張することもできるため、マーケットで優位に立てるとチームは願っている。まだレガシーなツールを使っている企業が非常に多いため、Prophecyは企業が既存のETLワークフローをモダナイズできるためのトランスパイラーを提供している。

Prophecyの共同創業者Raj Bains(ラジ・ベインズ)氏は、次のように述べている。「誰もが、データは新たなオイルだと、もう10年ぐらい言い続けています。しかし、実際に大企業へ行ってみると、データ管理は混乱しています。そんなところへ私たちが出ていって『直しましょう』というのです」。Prophecyと提携したDatabricksやSnowflakeはデータを利用するための処理エンジンを構築しているが、企業はクラウドへの移行を同時に進めているため、重い作業を行うための多くのツールをまだ必要としていると同氏はいう。

ベインズ氏によると、これらの企業は、オンプレミスで動いている何万ものデータパイプラインが下層にあることが多いという。そこでProphecyのツーリングによりこれらのパイプラインをモダナイズして、クラウド(できればProphecyのプラットフォーム)に移した方がすっきりする場合が多い。

つまり「そのために作ったコンパイラーは、極めて高度なツールです。それは、彼らの古いデータパイプラインを読み、クラウドとクラウド技術のための新しいデータパイプラインを自動的に書き出します。私たちは大企業の膨大な量のデータエンジニアリングの残骸に取り付いて、それらの全体をクラウドへ移行させる。現在、クラウドを志向している大企業は多いのですが、成功する移行方法はわかっていません。そこで、私たちはクラウドへの移行を支援し、まったく異なるエコシステムであるクラウドの世界で彼らが成功できるようにするのです」。

Prophecyは設立から間もないが、すでに多くのFortune 500や50の企業がデータのインフラの構築と管理のために同社サービスを利用している。

Insight PartnerのマネージングディレクターGeorge Mathew(ジョージ・マシュー)氏によると、同社に関心を持った理由は、ベインズ氏がHortonworksやNVIDIA、Microsoftなどに在籍していたからなどさまざまだという。

「ラジ(・ベインズ)とProphecyのチームは、昨日までの古いシステム、特にそのデータ部分をよく知っている。だからそれを、クラウドネイティブな世界のどこへどうやって移せば、その巨大な移行が成功するかもわかっています。しかも、ノーコード / ローコードでそれができるのです」とマシュー氏はいう。同氏によると、現在はデータウェアハウスやレイクに積み上がった膨大な量のデータを抱えている企業が増えているたタイミング的にも良いという。数年前までは、それほどでもなかった。

ベインズ氏が掲げる2022年の目標は、プロダクトをもっと磨いて顧客がパイロットではなくプロダクションで成功できるようにすることだ。そのため、当然ながらこの度の資金は同社の市場化努力、特にフルスタックのデータエンジニアリングプラットフォームの構築に投じられる。

画像クレジット:Artur Debat/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)