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政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が19日、オミクロン株に対して必要なのは「人流抑制ではなく人数制限だ」と述べるなど、専門家たちがこれまでと異なる見解を示し、ネット上で波紋が広がっている。

尾身茂氏(官邸サイト)

尾身氏は「オミクロン型の特徴にふさわしい効果的でメリハリのついた対策を打つ必要がある」との認識を示した上で、「4人ぐらいで静かに会食し話すときはマスクをするといった行動をすれば、店を閉める必要はないと思う」「今回はなんでも全部やめるという、ステイホームなんて必要ないと思う」とも語った。

また、日本医師会の中川俊男会長もオミクロン株について「リスクの少ない若年層には、インフルエンザに近いものと考えられます」、「経済の再活性化と感染拡大防止の両立を目指す段階に入った」と発言。デルタ株が蔓延した昨年までとは異なる認識を示す専門家が相次いだことに批判や困惑も出ている。

元東京都知事の舛添要一氏は、「尾身会長のように『人流ではなく人数』などという判じ物を言うのは、かえって人心を迷わせる。マスコミも、それを垂れ流すのではなく、疑義を呈すべきである。思考停止はウイルスが喜ぶところである」と指摘。

経営コンサルタントのロッシェル・カップ氏は「この記事を読んで完全に当惑しました。『外出自粛などは必要はない』との発言を裏づける科学的な根拠は何でしょうか?」と疑問を呈した。

このほか、一般のネットユーザーからも、不満や疑問の声があがった。

100歩譲って人数制限ならまだ分かる。でも時短を要請される意味は本当に分からない。ウイルスが夜8時や9時以降に活発になるはずがないし時間を短縮すれば密になる。リスクがあると言うなら昼間だって同じですし。いつまで飲食店を締め付けてやってる感を出すんですかね。心底腹が立つ

人数制限の有効性は1年以上前に論文で示されていたはずなのに日本は時短とか酒類禁止とかに特化してきて何を今さらという感じ。しかも感染力増大のオミクロンになってからの持ち出しでは何とも話がチグハグ。

元LINE執行役員の田端信太郎氏は、「コロナってもはや、人が死ぬとか死なないのゲームじゃなく、責任の押し付け合いゲームになってるよね そもそも感染拡大のコントロールは不可能。なるようにしかならないし、それでも日本全体での死亡は大して増えませんから!」と言い、政治的な論争の側面が強いと指摘した。

コロナウイルスは発生当初から、「大切なのは正しく恐れることです」などと新聞各紙が社説等で説いていた。コロナを正しく恐れるにはどうしたら良いのか、そこを知りたいものである。