発売前のレビューであまり良い評判を得てないAMD Radeon RX 6500 XTですが、搭載されているNavi 24 GPUは元々デスクトップ向けGPUとして発売がされる計画では無く、Rembrandt APUを搭載するラップトップと組み合わせて使われる予定だったようです。
前評判が良くないRadeon RX 6500 XT
AMDから発売がされるエントリー向けグラフィックスカードであるRadeon RX 6500 XTですが、1月19日から掲載が開始されたレビューの評価はどれも微妙な結果となっています。
特にパフォーマンス面では4GBのGDDR6と言う点が足を引っ張っているためか、負荷が高めのゲームでは8GBのVRAMを搭載するRadeon RX 5500 XTに劣る場面が多く見られています。
また、エントリーモデルであるにもかかわらず、Radeon RX 6500 XTのパフォーマンスをフルに活用したい場合、AMDの場合はRyzen 3000シリーズ以降、Intelの場合、Rocket Lake以降のPCIe Gen 4.0対応である事や、動画支援機能が一部省かれているなどエントリーモデルと言われているのに、前提となる環境がエントリー向けでは無いなど矛盾が起きています。
今回、そんなRadeon RX 6500 XTのチグハグな仕様についてAMDの関係者が明らかにしています。
Navi 24 GPUはRembrandt-APUと組み合わせて使う予定だった模様
Radeon RX 6500 XTの謎仕様について、AMDのLinux新製品ソフトウェア部門のJohn Bridgman氏によってその理由が明らかにされています。
The primary use of Navi24 will be in laptops paired with a Rembrandt APU, which has full video functionality and Gen4 PCIE.
My impression was that it was just encode that was limited in Navi24, not decode – still not sure if that limitation is real or just a typo on the product page. Trying to find out a definitive answer.
Radeon RX 6500 XTに搭載されているNavi 24の主な用途はRembrandt APUを搭載するラップトップと組み合わせて使用する事が当初は想定されていました。Rembrandt APUでは動画支援機能もPCIe Gen 4.0にも対応しています。
Rembrandt-APUはRadeon RX 6500 XTと同時に発表されたラップトップ向けCPUで、Ryzen 6000シリーズとして発表がされました。このRyzen 6000シリーズでは内蔵GPU側にH.264/H.265のエンコードやAV1のデコードを担うアクセラレータが搭載されています。
一方で、Navi 24についてはRyzen 6000シリーズと組み合わせて搭載する事を念頭に開発が行われていたためか、動画支援機能のほとんどは機能削減が行われていたようです。また、PCIe Gen 4.0 x4レーンと言うのも同様にPCIe Gen 4.0に対応するRyzen 6000を想定していたため、PCIe Gen 3での動作はそもそも開発段階で想定されていなかった可能性が高そうです。
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Radeon RX 6500 XTについてダイサイズや今回出現した情報を見る限り、John Bridgman氏が言う通り元々はラップトップ向けモデルとして開発が進められていたように見られています。しかし、2021年頃から深刻化したグラフィックカード不足と言う状況を見て、急遽デスクトップ向けの準備を開始し発売したと見られています。
実際に、AMDでは2020年6月に『4GBのVRAMでは足りない』と言う説明をRadeon RX 5500 XT発売時にコミュニティーブログに掲載していましたが、RX 6500 XTの正式発売前にこの投稿を削除するなどしているため、急遽投入した感が漂っています。
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