もっと詳しく

3回目のノミネートで見事芥川賞を受賞した砂川文次。元自衛官という肩書に注目が集まることが多いが、作家としての彼の最大の特質は「只(ただ)中に生きている人」のまなざしで小説を書き続けてきた点にある。本作の主人公の男・サクマの生業はメッセンジャー。オフィスやスタジオを自転車で駆けめぐ…