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Tesla(テスラ)の元CTOであるJB Straubel(J・B・ストラウベル)氏が創業したスタートアップRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)は、カリフォルニア州で電気自動車のバッテリーリサイクルプログラムを開始する。Ford(フォード)とVolvo(ボルボ)が設立パートナーとなる。EVの材料調達に圧力が高まっていることが背景にある。

基本的な計画は、Redwood Materialsがカリフォルニアのディーラーや解体業者と協力し、ハイブリッド車や電気自動車の使用済みバッテリーパックを回収するというものだ。ストラウベル氏によると、このプログラムはバッテリーを持ち込む側にとっては無料だ。バッテリーを回収し、適切に梱包して、ネバダ州北部にあるRedwood Materialsのリサイクル施設に輸送する費用は、パートナー企業であるVolvoとFordとともに、Redwood Materialsが負担する。同社は、車種に関係なく、カリフォルニア州内のすべてのリチウムイオン電池とニッケル水素電池を受け入れる予定だ。

「今は混乱していて、人々にとってすばらしい、つまり明白で明確な解決策がないのです」とストラウベル氏はいう。「これは、私たちが変えたいことの本当に重要な部分です。最初はアメリカの誰もが、そしてゆくゆくは世界の誰もが、非常に簡単にバッテリーをリサイクルし、材料がかなり高い割合で回収されるようにしたいのです」。

同社は、スクラップ回収業者やディーラーがバッテリーの回収を組織化するために利用できるポータルを立ち上げた

このパイロットプログラムはまだ初期段階にあり、いくつかの部分は明確に定義されていない。

「強調したいのは、私たちはこのすべてにおいて学習中であり、これはちょっとした西部劇だということです」とストラウベル氏は話す。「少し複雑であることが、これまで実現しなかった理由の一部かもしれないと考えています」。

Redwood Materialsは、循環型サプライチェーンの構築を目指し、2017年に創業した。同社は、携帯電話のバッテリーやノートパソコン、電動工具、パワーバンク、スクーター、電動自転車などの家電製品だけでなく、バッテリーセル製造時に出るスクラップもリサイクルしている。そして、これらの廃棄物を加工し、通常は採掘されるコバルト、ニッケル、リチウムなどの材料を抽出し、それらを再びパナソニックやAmazon(アマゾン)、Ford、テネシー州のAESC Envisionなどの顧客に供給している。

目的は、クローズドループシステムを構築することで、最終的に電池のコストを削減し、採掘の必要性を相殺することにある。

現在市販されている電気自動車には、リチウムイオン電池が搭載されている。電池には2つの電極がある。一方がアノード(負極)で、もう一方がカソード(正極)だ。真ん中に電解液があり、充放電の際に電極間でイオンを移動させる運び屋として働く。アノードは通常、黒鉛でコーティングされた銅箔でできている。

自動車メーカーが電気自動車の生産を拡大し、やがて内燃機関を搭載した自動車やトラックに取って代わるようになると、電池とその材料の需要が急増すると見込まれる。自動車の電動化に取り組む主要自動車メーカーのほぼすべてが、バッテリーセルメーカーやその他のサプライヤーと提携を結び、サプライチェーンの強化に努めている。

2022年初め、既存のパートナーであるパナソニックは、Redwood Materialsとの関係拡大の一環として、Teslaとともに運営するギガファクトリーで製造するバッテリーセルに、2022年末までにリサイクル材をもっと使うと発表した。

Redwood Materialsは、バッテリーセルのアノード側の重要な構成要素であるリサイクル材から製造された銅箔のパナソニックへの供給を始める。Redwood Materialsは2022年前半に銅箔の生産を開始する。銅箔はパナソニックに送られ、年末までにセルの生産に使用される予定だ。

画像クレジット:Screenshot/Redwood Materials

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi