豫章へ 4たまらず継母は袖(そで)で顔を掩(おお)った。諸葛亮(しょかつりょう)は継母の哀咽(あいえつ)をはじめて視(み)た。ほどなく湿った静けさとなった。やがて兄は嗄(か)れた声で、「なあ、亮よ、朽(く)ちた木の橋でも渡り切ることができるかもしれない。築いたばかりの石の橋でも足を…
豫章へ 4たまらず継母は袖(そで)で顔を掩(おお)った。諸葛亮(しょかつりょう)は継母の哀咽(あいえつ)をはじめて視(み)た。ほどなく湿った静けさとなった。やがて兄は嗄(か)れた声で、「なあ、亮よ、朽(く)ちた木の橋でも渡り切ることができるかもしれない。築いたばかりの石の橋でも足を…