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よく行く小さなコーヒー屋さんに、同じくらいよく来る男性がいる。いつも作業服姿の壮年で、段ボール箱を小脇に抱えたまま隅の本棚に同化するかのごとく気配を消して立っている。マスターが近寄ると、箱から賞味期限間近の卵サラダや韓国料理「チャプチェ」のタレを取り出す。業務用食品の卸業者だ。 …