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 米ファイザーと独ビオンテックが開発中の生後6カ月~4歳向け新型コロナウイルスワクチンの実用化が、米国で2カ月以上遅れる見通しになった。まず接種2回目までを対象に今週中にも緊急使用許可(EUA)され、来週から接種が始まる見通しになっていた。だが薬事当局が薬事審査には接種3回目のデータも必要と判断したため、現時点のEUA審議が見送られた。

 ファイザーは1日、生後6カ月~4歳向けコロナワクチンのEUAに向けた段階的申請を始めたと発表。当初は接種3回目までの臨床試験を完了してから申請する予定だったが、感染拡大でいち早く接種を可能にしたい米国食品医薬品局(FDA)の要請を受け、試験データの解析が終わっていた2回目までの結果をまず提出して申請手続きを始めた。しかし提出データをFDAが評価した結果、EUAについて審議するには3回目までのデータが必要と判断し、審議入りの延長を決めた。

 15日に専門家による諮問委員会を開き、EUAを審議、21日にも接種を始める計画だった。ファイザーによると、3回目も含めた結果が揃うのは4月上旬。そのため、EUA審議も4月中旬以降になる見通し。

 これまでの臨床試験では、生後6~24カ月は2回接種のみでも成人と同等の免疫反応があったが、2~4歳は不十分だったため3回目を追加する試験デザインに変更した。成人用量の10分の1を投与する。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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