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SpaceX(スペースX)は、初の民間人のみによる宇宙飛行を開始するだけでなく、近い将来、本格的な民間宇宙プログラムの本拠地となる見込みだ。The Washington Postによると、Shift4(シフト4ペイメンツ)の創業者でInspiration4ミッションのリーダーを務めたJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、SpaceXによる「最大3回」の有人飛行を含むPolaris Program(ポラリスプログラム)の構想を発表した。最初のフライトである「Polaris Dawn(ポラリスの夜明け)」は2022年の第4四半期に予定されており、初の商業宇宙遊泳が含まれるはずだ。この取り組みは理想的には、人間が乗った最初のStarship(スターシップ)の飛行で終わる。月旅行を期待していた方たちには申し訳ない。

Polaris Dawnチームは、史上最高の地球周回軌道を目指し、健康研究を行い、レーザーを使ったStarlink(スターリンク)通信のテストも実施する予定だ。アイザックマン氏はミッションコマンダーとして復帰し、Inspiration4のミッションディレクターで空軍経験者のScott Poteet(スコット・ポティート)氏がパイロットを務める。また、SpaceXのリードオペレーションエンジニアであるAnna Menon(アナ・メノン)氏とSarah Gillis(サラ・ギリス)氏の2名も搭乗する。メノン氏の役割は、昨今の民間宇宙飛行へのシフトを象徴している。彼女の夫であるAnil Menon(アニル・メノン)米空軍中佐はNASAの宇宙飛行士に選ばれているが、彼女はその配偶者よりも先に宇宙に到達する可能性が高いのだ。

このプログラムの実現は、SpaceXとパートナー企業がいくつかの問題を解決することにかかっている。SpaceXは宇宙遊泳に必要な宇宙服を開発中であり、アイザックマン氏のグループはクルーのうち何人が宇宙船の外に出るかをまだ決めていない。また、Starshipには不確定要素もある。十分なテストが行われ、多くの進歩を遂げているが、この次世代ロケットシステムの開発は必ずしも計画通りには進んでいない。Polaris Programは、比較的緩やかなスケジュールで、場合によってはいくつかの挫折を経験することになるだろう。

それにしても、これは民間宇宙飛行の常態化を意味する。Polaris Programは、億万長者が率いる民間宇宙飛行の最近の「慣習」を引き継ぐものだが(アイザックマン氏も例外ではない)、宇宙遊泳や新しい宇宙船のテストなど、これまで政府の宇宙飛行士だけが行っていたことが商業化されることも見込まれる(SpaceXのDemo-2は、NASAの宇宙飛行士が操縦した)。近い将来、民間宇宙飛行士が他の役割を果たすようになっても不思議ではない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Jon Fingas(ジョン・フィンガス)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Polaris Program / John Kraus

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(文:Jon Fingas、翻訳:Aya Nakazato)