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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「回路図の描き方」についての説明です。

回路図の描き方の基本的なルール

物事にはルールというものがあります。
その中でも、誰でも守らなければならない絶対的なルールってありますよね?
例えば、日本では車は左車線を走りますし、物を買うにはお金を払います。
当たり前ですよね?

そんな当たり前のルールが回路図にもあります
個人や会社で多少の差はあれど、「ここだけは統一されている」という部分があるのです。

ということで、どんなルールがあるのか説明していきます。
先に言っておきますが、超初心者向けです。

  1. 信号は左から右に流れるように描く。
  2. 電位が高い方を上に描く。
  3. 接続線は垂直と水平に描く。
  4. 十字接続と交差は見てわかるようにする。
  5. 部品は回路の角に描かない。

他にも思い当たるルールはありますが、最低限抑えておきたいのはこの辺りです。

例を見ながら説明していきますね。

まずは、ルールを破りまくった回路図を見てみましょう。

図1

うん、酷い。
順番に修正していきます。

1.信号は左から右に流れるように描く。
2.電位が高い方を上に描く。

まず、このような単純な回路があったとして、向かって左側に電源が無いということはありえません
どんな電源にしろ、左側に描くのが一般的です。

また、電気回路の基礎で述べたのですが、電気のイメージは水の流れです。
ポンプ(電源)で汲み上げられた水は、水位(電位)が高いところから水位(電位)が低いところへ落ちるのです
なので、電源の向きもおかしいです。
+側が上になるように修正しましょう。

図2

3.接続線は垂直と水平に描く。

『なんで?』と聞かれても『さあ?』としか言えないルールその1。
普通に見映えが悪いから個人的に賛成ですけども。

図3

4.十字接続と交差は見てわかるようにする。

個人的にはこれが一番重要だと思います。
交差して繋がっている点には黒丸表示をしましょう。

図4

例えば、上図のようになっていたら、左側の縦線と横線は繋がっていない、右側の縦線と横線は繋がっているとわかります。
あまり見かけることは無いですが、線を跨いで描かれていることがありますので、しっかり描き分けておきましょう。

図5

5.部品は回路の角に描かない。

『なんで?』と聞かれても『さあ?』としか言えないルールその2。
部品によっては角に配置することを想定していない形状のものがあるからじゃないかな?

図6

これで修正完了です。
スッキリした形状になりましたね。

最初に述べた通り、会社によって独自のルールがあったりもするので、その時は長い物には巻かれろの意思で従っておきましょうね。

以上、「回路図の描き方」についての説明でした。


【基礎から学ぶ直流回路】

◎電気回路の基礎 ~そもそも電気回路とは?
◎同じ[V]という単位に対して量記号が”E”と”V”に分かれている理由
◎回路図の描き方 ~初心者は知っておきたい基本的なルール
◎抵抗の基礎 ~種類やカラーコードの見方
◎直列接続の考え方

◎並列接続の考え方

◎抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ
◎基準点による電位の変化
◎導体の電気抵抗 ~抵抗率と導電率の関係
◎キルヒホッフの法則
◎重ね合わせの理
◎テブナンの定理

◎ノートンの定理
◎テブナンの定理とノートンの定理の関係
◎ミルマンの定理
◎ブリッジ回路と平衡条件

◎ホイートストンブリッジ回路とメートルブリッジ回路
◎ブリッジ回路のΔ-Y変換
◎電圧源と電流源 ~等価電源と理想電源の違い

◎電圧源と電流源を含む回路の考え方
◎電圧源と電流源の接続方法の注意点
◎起電力と内部抵抗が等しい電圧源を複数並列に繋いだ場合の考え方
◎電力とジュールの法則
◎チップ抵抗器の定格電力と外形寸法表記
◎最大電力 ~最小定理の考え方
◎複数の電源から供給される電力の割合