文系出身者でプログラマーになりたいと思っている人の中には、「数学が苦手だけど大丈夫なの?」とか「理系に比べて不利なのでは?」という不安を持っている人も多いはず。
確かにプログラマーは理系のイメージが強いですが、実際はどうなんでしょう?
現役システムエンジニア兼プログラマーであり、且つ過去に新人教育も担当した経験から、この疑問に答えたいと思います。
文系でもプログラマーになれるのか?
これは確信を持って言えますが、間違いなく成れます。
プログラミングは文系、理系関係なく、慣れの問題です。
「物事をロジカルに考えること」と「プログラミング言語を使った処理の書き方」に慣れれば、誰でも出来るようになります。
もちろん「プログラミングが出来ない」という人も少数ながら存在します。
しかし、それは文系、理系問わず存在するものなので、これは持って生まれた「その人の個性」なのだと思います。
どんな職業にも向き不向きがあるように、プログラマーという職業にも向き不向きがあって、それは文系、理系とは無関係です。
理系はプログラマーとして採用されやすい?
文系、理系を問わず能力的、あるいは性格的に向き不向きはありますが、採用時には全く判断が出来ません。
それよりも、その人物の「人柄」や「やる気」を重視します。
何故なら、プログラミングスキルは入社後の研修や、その後の仕事を通して身についていくものだからです。
企業としては、将来その会社に末永く貢献してくれる優秀な人材、つまり将来性のある人材を探しているわけなので、理系で少しプログラミング経験があったとしても、それだけで採用が有利に運ぶことはありません。
数学は苦手でも大丈夫?
プログラマーの世界では、数学はほぼ使いません。
プログラマーは色々な業種(製造、小売、運輸、金融、医療など)や職種(研究、営業、経理、人事など)向けにプログラムを作るのが仕事です。
普通に生活をしている人が数学に触れることは滅多にありませんが、同じように殆どの業種や職種で数学は使われていません。
プログラマーとして必要なのは、これから作ろうとしている業種や職種、もっと言うならその会社の仕事のやり方に関する知識です。
専門用語でこれを「ドメイン知識」とか「業務知識」とか言ったりしますが、つまりプログラムを作る対象の知識が非常に重要で、これは文系、理系に関係なく実際に仕事に就いた時覚えていくものなので、スタートラインは同じです。
理系に比べて不利な点は?
ある程度の規模の会社だと、新人研修研修でプログラミングを学習します。
理系の場合は授業でプログラミングを多少なりとも勉強しているため、新入社員研修の最初の1か月~2ヶ月あたりは、理系の方が進み具合が速くなります。
でも、これは仕方のない事であり、不利と言えば不利ですが、これから始まる長い社会人生活のスタート時点の話なので、数か月もすれば差はなく成ります。
そこで差が出るとすれば、それは文系、理系という理由ではなく、その人の個性であり、「人より少しだけ慣れるのが遅かった」だけの話です。
理系に比べて有利な点は?
理系って割と英語に弱いんですよね。
プログラミング言語は英単語で命令を記述するものですし、プログラムの中で扱うデータには全て名前を付けるのですが、これも基本英語で命名します。
最新技術を習得する場合は英語の文献しか無い場合もあるので、とにかく英語に沢山触れます。
文系は理系に比べて英語に触れる機会が多いことが多いので、この点は有利です。
もっとも、プログラミングに登場する英語はごく限られているので、それを覚えてしまえば殆ど問題無いというのも事実です。
現場では相手の学歴や理系、文系は関係なし
IT業界の仕事の大半は、複数メンバーによる共同作業が大半です。
特にプロジェクトの規模が大きくなると、何十人や何百人のプログラマーが共同作業します。
プログラマーには作るべきプログラムの範囲が決まっているため、その部分の進み具合の状況報告や、作るべきプログラムの仕様、あるいは技術的な課題解決のために相談しあうことは合っても、相手の学歴や理系、文系などの話は一切出てきません。
自分がやるべき仕事が出来ているかどうかが重要であり、高卒であろうが専門卒であろうが、大学院卒であろうが、理系であろうが文系であろうが全く関係なく、そのことに関して誰も興味は持ちません。
プログラマーに向いている性格
先ほど、プログラマーは文系、理系に関係無く少数ながら向いていない人がいて、それは「その人の個性」によるものだと言いました。
人は生まれながらにして能力的に得意不得意があり、歌がうまい人、語学に長けている人、運動能力の高い人など様々です。
プログラムで必要となるロジカルな考え方についても得意不得意があり、先ほど述べた「その人の個性」は、この能力的なものの事でした。
多くの人は能力的にこのロジカルな考え方は備わっていて、たとえ今は不得意であっても、鍛えることで慣れてきて能力は向上します。
しかし、いくら能力があったとしても、性格的に向かなければ能力を発揮できません。
では、どのようなプログラマーには性格が向いていると言えるのでしょうか?
- 地道な作業が苦にならない
- めんどくさがり屋であること
- モノづくりが好きであること
- プログラミングが好きであること
プログラミングは長時間に渡って思考を巡らせる地道な作業なので、これが苦にならないことが第一条件です。
次に、同じことをするのが面倒だと感じれるかどうかです。
単純な作業や煩雑な作業を効率化するためにプログラムがあるわけですから、その作業を面倒だと感じないと、そもそもプログラムを作るという発想が生まれません。
プログラミングは「プロムラム」という物を作るのが職業ですから、モノづくりが好きでないと長続きしません。
そして最後に、プログラマーとして長時間プログラムを書くわけなので、その作業自身が好きでないと当然やっていけません。
就職活動を有利に進めるために
ここまでの説明で、新卒の新入社員として入社後、社員研修でプログラミングを学ぶ場合においては文系、理系は関係ないことはお分かり頂けたかと思います。
では、更に一歩進んで、就職活動を有利に進めるにはどのような方法があるでしょうか?
今のままでは文系、理系が同じスタートラインに立っているだけで、文系の優位性はありません。
もし仮に、文系にもかからわず勉強してプログラミングのスキルを身に付けられたらどうでしょう?
理系では、あって当たり前のプログラミングスキルですが、文系だと珍しいことになるため、アドバンテージがグッと上がります。
「文系ですがプログラミングに興味を持ち、自力で勉強してある程度のスキルを身に付けることが出来ました」
という風に面接官に伝えれば、あなたのやる気が面接官にビンビン伝わって高評価になります。
もし時間が許すのであれば、プログラミングの本を一冊購入して、勉強してみることをお勧めします。
たとえ組めるようにならなくても、面接官には十分アピールになりますし、入社後の研修でも理解が速くなります。
もし、独学は難しいけど将来のためにプログラミングスキルを身に付けたいと考えているのであれば、「レバテックカレッジ」という大学生、大学院生対象のプログラミングスクールというものが活用できます。
無料説明会があるので、気軽に相談してみて下さい。
受講するしないは別にして、話をするだけでも、きっと何か得られるものがあるはずです。
まとめ
今回は、文系出身者でプログラマーになることは決して難しくないということを解説致しました。
確かにプログラマーとしての向き不向きは存在しますし、私は何度かそういう人に巡り合いました。
それは学歴ではなく文系、理系でもありません。
それぞれの得意不得意、つまりその人の個性によるものです。
ですから、文系だからと言って失敗する必要は全くありません。
入社後の研修で理系に先を越されることはありますが、長いプログラマ人生のなかでは一瞬のことです。
1年も数か月も立てば文系理系の差はなくなりますので、気にせずどんどんチャレンジして下さい。
この記事が皆さんの一助になれば幸いです。