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Z650RS大人気! 羨望の「火の玉カラー50周年記念車」はまだ買えるのか独自調査した!

 超人気のZ900RSに続いて今春デビューする弟分のZ650RS。「Z」50周年記念の火の玉カラーも追加され、人気は天井知らずになりそうだ!

 撮りおろしショットを交えて期待の新作を解説しつつ、果たしてまだ買えるのか、各方面に調査してみた。

文/沼尾宏明、写真/宮下豊史(ミヤシーノ)、KAWASAKI

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ZスタイルのRSシリーズ第2弾は懐かしの“ザッパー”

 2021年9月に海外で発表され、大反響を巻き起こしたカワサキの「Z650RS」。2022年1月に国内モデルが正式発表されるや予約が殺到している。

 Z650RSは、4年連続で大型クラス(401cc以上)の販売1位を記録しているZ900RSの弟分として、2022年4月28日に発売予定。往年の名車をイメージした「RS」シリーズの第2弾で、Z900RSがZ1をオマージュするのに対し、Z650RSは「ザッパー」の愛称で有名なZ650をモチーフとしている。

Z650RSは、68ps&6.4kg-mを発生する並列2気筒を搭載。1か月点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換が無償で付帯するカワサキケアモデルで、ETC2.0車載器も標準装備。101万2000円~

 元祖ザッパーのZ650は、1976年にデビュー。64psを発生するDOHC2バルブの652cc空冷直4エンジンと軽量コンパクトな車体によって、大排気量モデルを喰う俊敏な走りで知られる。ザッパーの愛称はカワサキの造語で、風を切る音=zapが由来。軽くパワーがあるモデルを指し、走り屋のライダーから絶大な人気を誇った。

 新たにデビューするZ650RSは、軽さと扱いやすさを追求した“新世代ザッパー”と言える。基本構成は2018年に登場したストリートファイターの現行Z650がベース。軽快な鋼管トレリスフレームに、扱いやすい特性の並列2気筒を積む。

1976年に登場した元祖Z650は、652cc空冷直4を搭載。心臓部は後にゼファー750にも継承された。丸1眼ライトをはじめ、サイドカバーやダックテールの形状をZ650RSも踏襲する

火の玉カラーは手の込んだ4層コートで上質さ満点

 車体色は3カラーを用意。元祖ザッパーを彷彿とさせるキャンディエメラルドグリーン、ヘッドライトリムやFIカバーを黒とした都会的なメタリックムーンダストグレー×エボニーが選べる。

 さらに、1972年に登場した初代Z1(900スーパー4)から50周年を記念し、その特徴的な“火の玉カラー”を模したキャンディダイヤモンドブラウンを設定。「50thアニバーサリー」車として、Z900RSとZ650RSにも導入される。

 このカラーは、茶色のキャンディ部分が通常一層塗りなのに対し、二層でツヤと深みを出しているのが特徴。その上にオレンジの火の玉グラフィックを乗せてさらにクリアを施す4層カラーとしている。さらに専用エンブレムなど様々な特別装備が与えられる。

キャンディカラーのフレークが眩しいフューエルタンク上部に、Z50周年を祝う記念ロゴが配される
サイドカバーには専用エンブレムをセット。通常版は「Z650RS」のロゴだが、初代Z1譲りのデザインを採用する
上質感を高めるシボ入りの専用シート表皮を採用。さらに1970年代の雰囲気が漂うパイプのグラブバーも標準で備える

 これらの装備により50周年記念車の車重は標準モデルから+2kgの190kgに。価格は8万8000円増の110万円となる。

4気筒のZ900RSよりスリム&軽やか

 兄貴分のZ900RSと最大の違いは、車重とスリムさにある。車重は4気筒のZ900RSより27kgも軽い188kgを実現。元祖ザッパーは直列4気筒で、Z650RSはツインとエンジン型式は異なるものの、軽量コンパクトさでは共通している。

 かつて900ccの旗艦であるZ1に対し、652ccの元祖ザッパーが「Z1ジュニア」の位置付けだったように、現代でもパワフルかつボリュームのあるZ900RS、軽快&フレンドリーで好バランスのZ650RSという関係になるだろう。

左がZ650RS、右がZ900RS(ともに50thアニバーサリー)。真後ろから2台を並べてみると、650は特にタンク部分がスリムなのがよく分かる
Z650RSの足着き性は、身長170cm体重65kgでわずかにかかとが浮く。ニーグリップすると、Z900RSより明らかにスリムさを感じられる
Z650RSのライディングポジション。ハンドルが高めなので体もラクで視界も広い。また、取り回しや引き起こしでは650の方が明らかに軽かった

販売方式はショップごとに異なり、先着順と抽選がある

 前置きが長くなったが、Z650RSの予約状況を販売店などに聞いてみた。結論から言えば、2022年2月現在の時点で「ほぼ完売」と言える状況。今からショップに申し込んでも購入できる可能性は非常に低い……。ただし! やや間を置いた「2023年モデル」なら買える確率は高いようだ!

 情報筋によると、Z900RSが国内生産なのに対し、Z650RSはタイ生産。昨年、Z900RSは約4800台を販売した。生産の関係で、Z650RSの国内入荷は「前年のZ900RSから半分程度、2000~2500台程度なのでは」と予想する。

 申し込み方法はショップによって異なり、「先着順」と「抽選」のパターンがある。ともに予約が殺到しており、2月上旬現在、既に申し込み自体を受け付けていない模様だ。

Z650RSが購入できるのは、401cc以上のカワサキモーターサイクルを販売する「カワサキプラザ」のみ。※写真はイメージ

年末までに予約すればギリギリ買えた……かも?

 では、いつ頃までに申し込めば買えたのか? 独自に調べてみると、有力店で2021年末ごろまでに申し込んだ人なら購入できそうな見通し(入庫する台数はショップの規模や実績によって異なる)。

 国内モデルのZ650RSが正式発表されたのは2022年1月6日なので、それ以前の時点で予約しないと買えないのだから凄まじい人気……。ちなみに知人が年末、10店舗に問い合わせたところ、全て「予約で一杯です」と断られている。

 ただし、早期に予約してもまだ買えるか確定していない。情報筋によると、ショップごとの具体的な割り当て台数および車体色が確定するのは、発売日(2022年4月28日)の約1か月前だからだ。執筆時点では「仮予約」の段階で、入荷数が確定した段階で「正式予約」になるという。

 残る希望は、割り当て台数が確定したショップが「抽選」申し込みを再開する場合だが、こちらも望みは薄いと思われる。

 なお、「転売」目的の購入を防ぐため、同じ地域(四国など)に住んでいないと注文できないショップもある。

 車体色で最も注目されているのは、やはり火の玉カラー。こちらは台数限定ではなく、通常の2022モデルの扱いになるが、「50周年記念」カラーだけに2022年限りになるのは確実。生産能力に限りがある上に、予約が殺到しているため、入手は困難だろう。

 しかし希望もある。Z650RSの初年度モデルは購入できなくても、翌2023モデルは「もっと買いやすいはず」と某ショップ担当者は話す。

 50周年記念カラーがないことが理由の一つ。さらに、「Z650RSは確かに人気ながら、Z900RSが発売された2017年末当時のフィーバーぶりに及ばない。恐らく一年も待てば購入しやすくなるのでは」と予想する。

本家Z900RS火の玉は現在の在庫は完売、今後は……?

 50周年記念カラーは、Z900RSとZ900にも設定される。

 大本命の“火の玉”Z900RSは、2月1日に発売。デビュー時の2018年型および2019年型にも火の玉カラーが設定され、中古市場では今だ高額で取り引きされているが、50周年カラーは色味を変更。従来は1層塗り+デカールで火の玉を再現していたが、Z650RSの50周年モデルと同様の4層カラーとしている。また、ブラウンの色味もより初代Z1に近い。

 こちらも予約段階で現在の在庫は既に完売の模様。今後生産される車両に関しても、既に予約済みのユーザーが大勢控えており、入手は難しい。

 情報筋は、「生産計画を変更できる半年後の2022年8月頃に大増産したり、ユーザーのキャンセルが発生する可能性もゼロではない。が、やはり入手は相当難しいだろう」と語る。

Z900RS 50thアニバーサリーは2月1日発売。価格は149万6000円で、STDから+11万円となる。専用エンブレム、グラブバーを備え、シボ入りシートや金色ホイールも特徴だ
元ネタは名車中の名車である1973年型の初代Z1。50周年モデルは、茶色の部分がよりキャンディになり、Z1に近い色味に。オレンジの部分はより赤みが強い

 一方、ファイター系のデザインを採用するZ900の50周年記念モデルは、火の玉ではなく、Z1100GPをイメージしたファイアクラッカーレッドをまとう。さらにフロントフェンダーにZ50thのマーク、艶ありブラックのフレーム塗装、シボ入りシート表皮などの特別装備を採用する。こちらも発売済みで、現在のところ、まだ購入可能のようだ。

 ちなみにZの50周年を祝う数々の限定記念グッズも発売開始。Z650RSやZ900RSの記念モデルを入手できなかった人は、せめてグッズで悲しみを癒してみてはいかがだろうか……!?

Z900 50thアニバーサリーは2月1日発売。価格は121万円でSTDの110万円より11万円高い
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